タイトル:【RR】都市解放 2マスター:後醍醐

シナリオ形態: イベント
難易度: やや難
参加人数: 4 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2013/01/16 06:22

●オープニング本文


 ● キルギス カラ=バルタ
 街の中心部には妨害装置のタワーも見える。
 街の前に布陣するのは残党であるバグア軍の陸戦ワームと『幾つかの』トーチカのような砲台とランチャー群。
 
「‥‥以上がデータのとおりだ」
 宇宙から味方の巡洋艦が撮影したデータをKV各機へ提示するリーダー機。
「‥‥この砲台はやや違いますが、埼玉と同じタイプのよう見えますね」
「ああ、本部もそう判断している。ミサイル飽和攻撃は厳しいだろうな」
 彼らにも戦訓という言葉がある――。
「後これなんですが――」
 一人の部下が言いかけたその時。
「ミサイル警報!?」
 コックピット内に鳴るのは鳴るはずのない距離でのミサイル警報。
『ブレイク!(散開)』
 リーダーの声に合わすように散開する編隊。
「あれは‥‥!?」
 リーダーが目にしたのは大型の長距離ミサイル――それが群となって向かってくる。
『回避!』
 各々の機体が回避行動をとるが、数が数だけに至近での爆発や直撃は免れない。
「クソッ! エネルギー弾も含まれている」
 通常の爆破にまぎれてプラズマのような爆発も紛れている――どうやら敵は知覚攻撃もミサイルで行うようだ。
「各機、状況を報告」
 上がってきた報告は‥‥健在10機、大破6機、中破4機、小破5機。
「25機中、10機のみか――一時、撤退する」
 こうして第一次攻撃は敵の防空ミサイル群の前に頓挫することになった。
 
 ●第二次攻撃隊
 二次攻撃隊が編成され、再度アタックを掛ける。
 ダミーによる結果、ランチャー群から長距離ミサイルが発射されていることが判明した。
 だ、そのランチャー群は布陣する最奥だ。
 
「迎撃部隊はミサイルを迎撃! 吶喊部隊はその隙に敵最奥まで吶喊してランチャーの破壊だ!」
 重武装なKV機が迫り来るミサイルを迎撃している隙に、回避特化の高機動タイプのKV機が次々と吶喊していく。
 
 だが、地獄はこれからだった。
 
「クソッ!」
 最奥の目指す部隊は陸戦ワームのプロトン砲の歓迎を受けることになる。
「鬱陶しい!」
 ランチャー破壊の為に実弾を温存して予備のミサイルを発射して攻撃するが‥‥。
「チッ!」
 砲台の全自動パルスレーザーや対空型陸戦ワームの機銃に撃ち落される。
「構うな! あれさえ落とせば!」


第二次攻撃隊――出撃25機(吶喊部隊15機・迎撃部隊10機) 未帰還機 10機(吶喊部隊10機)
 
 長距離ミサイルランチャー群の三分の二を潰すことに成功したが手痛い損害を受けることになった。
 ULTの傭兵を含めた作戦へと移行していく――。
 
●ブリーフィングルーム
 
 □□□□□□□▲■□ ■城壁
 □□□□□□▲□■□ ▲砲台
 □□□□□▲●●■□ ●陸戦ワーム部隊
 □□□□□●▲※■□ ※ミサイルランチャー
 □□□□□▲●※■□
 □□□□□●▲※■□
 □□□□□▲●●■□
 □□□□□□▲□■□
 □□□□□□□▲■□
 
「敵の布陣はこうなっている――非常に厄介だ。なので‥‥」
「二方面に分ける――我々は砲台・ランチャー対応と市内の妨害装置の破壊だ」
「生身の場合、従軍の経験により高高度からのHALO降下。若しくは通常の降下だ」
「どう違うんですか?」
 挙手をして質問する。
「SESの補助があったとしてもHALOは従軍の経験がないと難しいということだな‥‥なくても出来ないことはないが大幅に落下地点がずれるリスクがある」
「降下後、砲台を制圧、破壊し最終的には都市内の妨害装置を破壊だ」
「KVについては‥‥何時も通りだな。砲台制圧に邪魔な陸戦ワームの排除と砲台の破壊だ」
「砲台の破壊・制圧は生身の陸上部隊とKVと連携して行うこと」
 

●参加者一覧

/ 佐渡川 歩(gb4026) / 神棟星嵐(gc1022) / ヘイル(gc4085) / 天野 天魔(gc4365

●リプレイ本文

 ●
「集まった戦力はこれだけか‥‥まぁ寡兵で事態にあたるのは良くある事だし、最善を尽くすだけだが」
 ヘイル(gc4085)が集まったメンバーを見てひとりごちる。
「この人数で砲台・ミサイルランチャーの対処と妨害装置の破壊は難しいですし、砲台とランチャーは軍と先行の方に任せて、僕達は妨害装置の破壊に集中しましょう」
 その声に応えるように答えたのは佐渡川 歩(gb4026)だ。
「それがいいかもしれませんね」
 神棟星嵐(gc1022)が佐渡川の案に賛意を示す。
「さて、番を終えたにも関わらず舞台に居残る役者は早々に退場してもらおう」
 意気込む天野 天魔(gc4365)の姿もあった。
 
 集まったのは四人の傭兵。
 彼らが目指すのは激戦地。
 飛びだって行くのは砲台や陸戦ワームを相手にする傭兵達のKVだ。
 一機、また一機と滑走路を離陸していく。
 四人は通常降下で移動する――故に、降下地点の確保後に出撃となる手はずだ。
 しばらくして、戦端が開かれた――離れたこの場所でもあっても戦闘の音は聞こえてくる。
 それを合図にか、輸送機の乗員が傭兵達に載るように告げ、乗り込んでいく。 飛びだつ輸送機――それを守るようにUPCのKVが周りに展開して護衛に当たる。
 先遣隊によるKVの戦闘は継続したままであった。
 だが、傭兵達のKVが囮となり引き付けることにより降下ポイントへ降下することが可能になった。
 降下を知らせるブザーが機内に鳴り響き、ドアがスライドして開かれる。
「い、いきます!」
 まず、飛び降りたのは勇気を出しだ佐渡川だった。
 佐渡川を先頭に次々と降下していく――傭兵達が、その後をUPCのの兵士達が。
 落下傘の花が開かれ、降下地点へと降りていく。
「皆、大丈夫だな」
 メンバーの状況を確認するのは天野――慣れてない降下は負傷する確率もある。
 無事を確認した天野は佐渡川、ヘイル、神棟らと共に現在地の確認と工程を確認する。
「済まないが――」
 ヘイルがワーム対処の傭兵に連絡を入れる。
「護衛してくれることになった」
 どうやら、KV2機が先行して敵の排除を行なってくれるようだ。
「じゃあ――」
 移動方法――AUKVにタンデムして移動する事になった。
 佐渡川はヘイルのAUKVへ、天野は神棟のAUKVへとだ。
「‥‥出来れば美女と共にのりたかったが仕方ないか」
「それは残念でしたね」
 先行したKVの後ろをついていく二両のAUKV。
 当然といえば敵陣まっただ中――。
 突如現れる、陸戦型ワーム。
「!?」
 人とのサイズの差はかなりあり――吃驚する佐渡川。
「相手している暇はない」
 ヘイルはスピードを上げて敵を回避――敵ありと先行したKVへ連絡を入れる。
 AUKVと陸戦ワームがやや離れた時、先行していた味方のKVの攻撃によって陸戦ワームが撃破された。
「い、今決めました。この依頼が終わったら、僕はもう二度と降下作戦と生身でワームに近付く依頼は受けませんよ!」
 佐渡川がヘイルの後ろで涙目ながらに声を上げる。
 幾つかの陸戦ワームの襲撃を受けながらも、突っ切って先へと進む傭兵達。
 しかし、まだ序の口だ。
 味方の支援を受けながら、ようやっと城壁へつくことが出来た。
 離れるように告げる味方KV――次の瞬間、KVから発射したグレネード弾によって城壁に穴があき、侵入経路が出来上がった。
 どうやら味方KVのエスコートはここまでのようだ。
「頑張ってください!」
 佐渡川の声を背に味方のKVは前線へと戻っていた。
「ココからが、正念場だな」
 前線へ向かうKVを見て天野は次の行動を考える。
「大通りと行けば良い的になってしまいます。多少の時間は大目に見て、少しでも力を温存しながら進みましょう」
 神棟は天野が取り出している地図見を見て言う。
 
 ●都市潜入
 ヘイル達の二両のAUKVの他にUPCのAUKVも何両か付いてきている。
 無論、傭兵達のサポートもあるが、妨害装置の破壊の為の要員のようだ。
 戦闘が始まったため、避難しているのか都市内に人の気配は少ない。
 神棟は『バイブレーションセンサー』を使い、敵を確認しながら先導する。
 空を見れば、UPCの降下部隊が次々と都市へ降下していく。
 そんな中、都市内を進むが――。
『第二中隊、市庁舎を確保中、敵火点の抵抗強し。分隊火器の増援求む』
『こちら、第一中隊、城門を確保中、なれど敵の抵抗強し。増援求む』
『第三中隊第四分隊、メインストリートを確保中。狙撃分隊の支援求む』
 無線からは次々と支援を求む声や戦況を知らせる通信が入り、辺りに銃声と爆音の戦場音楽が鳴り響く。
 一本道を進んでいた時、神棟の『バイブレーションセンサー』が探知に成功し、敵が引っかかる。
 地図を見ればどうしても通らなければない道――防衛の要点だったのだろう、敵の数が多く反応する。
「前方に敵――多数です」
「手厚い歓迎だ――」
 ヘイル達が見たのは強化人間の載る数台のトラックと武装を搭載したテクニカル――進行方向を塞ぐように停止しており、こちらに攻撃を仕掛けてくる。
 AUKVを急停止させて飛び降りる天野と佐渡川、ヘイルと神棟もすぐに戦闘へ移行する。
 『超機械「PB」』を取り出す佐渡川、AUKVに乗車し『機械刀「凄皇弐式」』を構える神棟、『天槍「ガブリエル」』を構えるヘイル、『超機械「ライジング」』を弾くように構える天野。
(‥‥一気に片付けたほうがいいかもしれない)
 多勢な無勢な状況を把握した神棟は皆にアイコンタクトをし――それに応える他のメンバー。
「これでどうだ!」
 天野は『閃光手榴弾』を敵に向けて投擲する――一瞬、辺りが閃光によりホワイトアウトする。
「今だ!」
 神棟がAUKVによる『騎龍突撃』を行い、あたりの敵をなぎ払ってAUKVから降りると近接戦闘へ移行する。
 閃光手榴弾と『騎龍突撃』による攻撃により体制を崩された敵は混乱気味だ。
 神棟により斬り伏せられる強化人間――続いて天野達はその隙に敵に吶喊する。
 ヘイルの槍に貫かれ倒され、超機械の電撃に灼かれる強化人間。
 後続のUPC軍の能力者も協力して敵を排除することに成功した。
「厄介なのが‥‥」
 その時、戦闘ヘリが向かってくるが、UPC兵の携帯対空ミサイルで撃墜される。
「急ぎましょう」
「ああ」
 神棟の言葉に応える天野と首肯するヘイルと佐渡川。
 再びAUKVでの移動を再開させ、索敵しながら進んでいくヘイル達。
 どうやら、降下している他のUPCの軍の対処に梃子摺っているのかヘイル達が向かう方面には先ほどと違って敵の様子がみられなかった。
「なんとか、なりそうですね」
「だといいが‥‥」
 タンデムしてる佐渡川とヘイルがこの様子について話し合っている。
 UPCによる陽動効果によって上手く行きそうだと感じている佐渡川と何かを警戒しているヘイル。
「‥‥上手く行きすぎですね」
「ああ」
 神棟と天野も違和感を感じていた。
 進む傭兵達――そして、示された場所に到着すると――。
「アレが妨害装置‥‥」
 佐渡川の目の前にはタワー状の建物――そして、その横には‥‥。
「アレは‥‥調べたほうがいいな」
 巡洋艦の写真に写っていた謎の建物。
 警戒しながらその建物へ進むと――。
 その中には避難していた人々がいた。
「‥‥砲撃でタワーを倒すのは難しそうだな」
 さすがに優勢と言えども、この激戦中に人々を誘導して移動させるのは難しいとヘイルは考えた。
「悪辣な手だ」
 そう、天野が言ったように、KVの攻撃でタワーを倒すことがあればそのタワーの下にいる人々が犠牲になる可能性もあった。
「直接制圧、ですか‥‥」
 佐渡川はそう、呟く。
「それしかないな」
 そのつぶやきに応える天野。
 こうして、ヘイル達は妨害装置のあるタワーを制圧する事になる。
 
 ●タワー制圧
 タワーに突入する傭兵とUPC達。
 頂上まで螺旋に続く階段。
 神棟の『バイブレーションセンサー』を頼りに警戒しながら進んでいく――。
「敵です。お願いします」
 敵の感知に成功した神棟――天野に『閃光手榴弾』を使うようにお願いする。
 敵がいるであろう階上へ投擲される閃光手榴弾――そして、炸裂して辺りをホワイトアウトさせる。
 それを合図に突入していく、天野達。
 素早く敵を排除していく。
 まだまだ続く螺旋回廊――。
 永遠の時が過ぎるような感覚が傭兵達を襲う。
 どれぐらい登ったのだろうか――行き止まりを感じさせる扉が目の前に現れる。
 蹴破ると同時に『閃光手榴弾』を投げ込み、突入する。
 だが、そこには強化人間はおらず、機械のみが鎮座していた。
「拍子抜けでしたね」
 部屋を見渡して佐渡川は言う。
「トラップは無さそうだな」
 慎重に見渡したヘイルが罠の確認をしていた。
 後続のUPCの兵士が小型の爆薬を取り付け、爆破処理をする。
「妨害装置の無効化に成功しました」
 小規模な爆発で壊れた妨害装置を確認して、連絡を入れる神棟。
 こうして、目標であった妨害装置の無効化に成功した。
 同じ頃、砲台と陸戦ワームの排除に成功した連絡が天野達へ入ってきた。
 
 螺旋回廊を降りる傭兵達――まだ制圧の途中ということもあり、警戒しながら降りていく。
 ようやっと、無事に降りることが出来た。
 タワーの制圧中にどうやら都市の制圧が完了し、強化人間の排除も出来たようだった。
 こうして傭兵達の働きにより都市攻略作戦が成功した。
 
 【RR】都市解放 2 成功 Fin