タイトル:【PM】性転換実験!マスター:後醍醐

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/11/16 20:58

●オープニング本文


「※このシナリオはパンプキンマジックシナリオです。実際のWTRPGの世界観に一切関係はありません」

 人類の叡智は神をも凌ごうとしていた!
 そう――不可能だと思われていた事が実現した。
 一人のマッドドクターによって。
「フハハハ!見よ!これを!」
 ヨレヨレの白衣を着こなし、ボサボサの鳥の巣のような頭髪をしているがその眼には狂気が宿っていた。
「何ですか?博士?」
 助手らしき男――顔は醜悪で低い身長の割には太っており、肌は油質でテカっており異臭を巻散らかしている。
「うむ!これは性転換薬だ!」
 博士の掲げた試験管には怪しげな液体――飲むのを躊躇うような緑色で発光していた。
「どう見ても――体に悪そうじゃないですかっ!」
 助手が口角泡を飛ばす――悪臭呼べるような口臭がガスとなって吐き出される。
「ノープロブレム!すでに効果は確認済みだっ!」
 狂気の瞳をぎらつかせ自信満々でどや顔をする博士――一体、どんな実験をしたのやら‥‥
「さぁ、飲みたまえ!」
 いつの間にか対NBC用ガスマスクを装着した博士がこれまたゴム手袋を装着した手で素早く助手を拘束したかと思うと、薬を無理やり飲ませた。
「ちょ!」
 吐き出そうとする助手――が、それは無駄に終わった。
 なぜなら――助手の体に異変が生じたのだから。
 そう――先ず変化が起きたのは顔からだった。
 アレほど醜悪だった顔が――二重の美少女の顔に変わった――ソレだけではなく、BC兵器とも言える口臭も消えていた。
 さすがに――150cm程だった身長は変わらなかったのだろう――代わりに、アレほど在った贅肉とかは胸や尻、太ももなどに向かっていった。
 実にアレである――スイカ?ノンノン、それよりも大きい胸!カップで言うとZから数えたほうが早いぐらいの大きさになり。
 尻はよく熟れた白桃のような柔らかさとハリのある形になり、太もも、二の腕もむっちりである。
 どうやら、この容姿は『助手』が『望んだ』もののようだ。
「はうっ」
 ロリになった助手がロリな声を出して倒れる。
 そりゃあ――体型変化でバランスが変わったのだ――特に胸部に重量が集まったせい――というのもあるが。
 が、顔からコケることもなくその「立派」な胸がクッションになって――バグアもびっくりである。
 ちなみに――悪臭漂わせていた体臭はフェロモンたっぷりないいニオに変わっている。
「ふむ‥‥」
 その様子を冷静に見ている博士――別に女性に興味がないわけでもないが――研究者の性が目の前の『女性』を研究対象としてみているのだった。
「もっと被験者を募ってデータを取る必要があるな‥‥」
 博士は考える――ふむ、総合的に評価するならば――投与後、キメラ討伐をしてもらうか。
 こうして博士は『実験』依頼を発行した。

●参加者一覧

金城 エンタ(ga4154
14歳・♂・FC
ゼフィル・ラングレン(ga6674
16歳・♂・BM
上杉・浩一(ga8766
40歳・♂・AA
瑞姫・イェーガー(ga9347
23歳・♀・AA
サウル・リズメリア(gc1031
21歳・♂・AA
ミコト(gc4601
15歳・♂・AA
若羽 ことみ(gc7148
13歳・♀・SN
アーレイ・バーグ(gc8261
16歳・♀・HA

●リプレイ本文


 マッドドクターラボにて

「おお! 来てくれたか!」
 万歳した格好で喜びを表すドクターと横でニッコリと微笑む助手。傍から見れば好々爺に見えるがマッドドクターである。
 「ささ、君たちコレを飲んで!」
 助手が傭兵たちの前に差し出すのは、イチゴジュースのような飲み物。
「新開発のジュースが飲めるそうですね!」
 それを見た若羽 ことみ(gc7148)はゴクゴクと美味しそうに飲み干した。
 次の瞬間――薬がことみに変化を与える。
「!?」
 (え、何コレ!?)
 驚いた表情をすることみは用意された個室に駆け込む。
 その様子をつぶさに観察するドクター。
 (女性用下着を着たままだと男性化した時、下半身の違和感がモロにでるからの‥‥)
 薬を飲まないアーレイ・バーグ(gc8261)はその場でお茶を飲んでくつろいでいた。
 

悲喜こもごも
 
 金城 エンタ(ga4154)は薬をじっと見て思う。
 (コレを飲んで女の子になれば‥‥僕の元の性別が男だって証拠に、なりますよね!?)
 覚悟を決めてグイッと飲むエンタ。直ぐに効果が現れて変化が起こり始めた。
 まず、変わったのは身長が伸び――顔立ちが気の強よそうなつり目へと変わった。
 胸は――残念ながらぺったんこだった。無念。
「ん‥‥」
 ただ――有るべきモノがなくなり股間の辺りがスースーする違和感を感じる。
 着替えを持ってきたアーレイがやって来た。
「御姉様?男性になった方はブラ付けなくて良いんですよ?」
 衣装――男装の麗人のような服を頼んでい為、女性から男性へと変わったのと勘違いされたようだ。
「ち、違うよぅ!」
 すっきりとした下半身を指さして女性で有ることを主張した。
「わ、わかりましたわ御姉様」
 いそいそと女性用ブラを持ってくるアーレイ。少しばかりサイズが大きかったようだ。
「このブラ‥‥あたしへの無言の挑発なの?」
 じと目で見るエンタ。慌ててスポーツブラを持ってくるアーレイ。
 
 一方、ゼフィル・ラングレン(ga6674)は何も疑いももなくクイッと薬を飲んだ。
「イチゴジュース?」
 どうやらイチゴジュースのような味がしたようだ。
 変化は――黄金比とも言える手足になったが、それに逆らうようなアンバランスな豊満になった胸となった。
 ついでに言うと着ていた服は胸でパンパンである。
「っ!?」
 体が変化したことに驚き、尻餅をつく。
「‥‥夢だ‥‥夢だ‥‥夢だ‥‥」
 現実逃避しながら俯きながら呟く。
「大丈夫ですの?」
 アーレイがゼフィルを気付けさせ、着替えを手伝う。
「‥‥サイズ在ったかしら?」
 ゼルフィンのサイズに合ったブラを探すアーレイ。
 (いいなーいいなー)
 それを羨ましそうに見るエンタ。
 フルカップのブラでは無かったのでハーフカップのブラを付けさせるアーレイ。
 ゆったりとしたセーターにジーンズといった出で立ちになったが縦網のセーターな為、胸は強調されている。
 
 眼福な光景を目に上杉・浩一(ga8766)はもしかしたら――という期待を胸に薬をあおった。
 変化が現れた――髪が腰まで伸び、ヒゲがなくなり男性的な体つきは女性的な豊満な体へと変わる。
「‥‥腰が痛くないだと!?」
 外見的な変化より内面的な変化に驚く浩一。変化したことによって腰痛が消えた事に喜ぶが――
「肩が重い――」
 そう――胸がある分、肩に負担が来たのだ。が――腰痛に比べたらマシだと納得した。
 そそくさと着替える浩一に近づくアーレイ。
「コレをどうぞ♪」
 黒のレースのフルカップブラを手渡し、手取り足取り付け方をレクチャーしている。
 着替えた格好は――パンツスーツの下にはカッターシャツを着ていないため、胸元からブラが見えるという扇情的な姿だ。
 気だるそうな雰囲気でぼんやりと変身していってる他の傭兵たちを見ていた。
 (‥‥一つの願望なのだろうな)
 
 そんな一人にミコト(gc4601)がいた。
「まぁ、これも経験ってものだよね」
 期待を持ちながら薬を飲む。
 変化が起こり――ミコトは鏡を見るが――深いため息をついた。
「‥‥髪が伸びて胸がちょっと膨らんだだけ‥‥。薬までも俺を裏切るというのか‥‥」
スタイルのいい助手を見つけて問い詰めるミコト
「ちょっと、これって不良品じゃないのか?不良品じゃないならなんでこんなに変わらないんだぁぁぁ」
「あうぅぅぅぅう‥‥」
肩を掴んでがくがくと揺らす――助手のとてつもなく大きい胸がたゆんたゆんと揺れるだけに憤慨もひとしおだ。

 その様子を見ている瑞姫・イェーガー(ga9347)は静かに薬を飲む。
 体が作り替えられていく――身長が伸び、赤褐色の肌になり狼のような長髪の銀髪になった。
「ふう、変化し終えたか‥‥!? この声は‥‥、確か覚えがあんだよな」
 声が――記憶の根底に在った「彼」の声だったのに動揺し困惑してしまう。
「相棒のよりデケェな‥‥、居なくて良かったかもな」
 女性用下着がきつくなったので下半身を確認する――なんというご立派様。
 サクっと用意した衣装に着替える――黒のボディスーツでピッチピッチである‥‥いろんな所が。
 
 最後になったサウル・リズメリア(gc1031)が薬を飲む。
「爆乳、ナイスバディ! だが、デカすぎる胸は断る(略)来い、俺のレジーナ!」
 銀髪、青い目に白すぎる肌で痩せぎすな体系になった。
 飲んだ感じマズイと感じつつ変化した胸に手を当ててみる。
 (あんま胸デカくなってねーな)
 そして、下半身をまさぐってみると‥‥。
 (俺の息子も、無くなって‥‥るだと?)
「何か、在るべきものがないっつーのも、違和感。鏡貸してくれ」
 見た途端、漫画のように出る鼻血。
 (でも生きてりゃ、この位の年齢か‥‥服、俺は何でもいいけど、あの人に着せるなら。‥‥)
「と、とりあえず一番可愛い服、で」
 シンプルな白いワンピースをアーレイから渡され――。
「着せてくれ、目瞑ってるから!」
 アーレイに着せてもらうサウル。三つ編みもしてもらって白いワンピースに麦わら帽子な姿になった。


 ――研究所車庫
 変化した傭兵たちが助手と共に集まっている。
 データ取りのためにちょっとしたキメラを討伐するのだ。
 神妙な顔をしてるサウル。
「サウル、どうしたの?」
 エンタが様子のおかしいサウルに話しかける。
「あぁ‥‥」
 変わった姿が、知っている人の姿であることを説明する。
「サウル‥‥思い入れでもあるのか」
 瑞姫がサウルに話しかける。
「あぁ‥‥」
 少し、頬を染めて答えるサウル。
「俺も、似たようなもんだ‥‥。きっと、憧れだけじゃ無く惚れてたんだろうな」
 照れるようにエンタに突っ込むサウル。
「え、何その残念な胸。そこは爆乳だろ!」
 突っ込まれて言いよどみそうになるが――。
「うぐっ!?‥‥ざ、残念って云わないっ! す、すっごく気にしてるんだからね!?」
 すかさずフォローを入れる瑞姫。
「エンタ‥‥、胸だけが、女の魅力でも無いと思うけどな‥‥全く男って奴は‥‥オレが言うなだよな」
「うん‥‥でも、一時とはいえ、辛い体験だよぅ‥‥」
 そんなやり取りをしながらハーフトラックに乗り込んでいく。
 そして、助手の運転するハーフトラックが動き出した。
 
 ――道中
 田舎道のため舗装はされておらず激しくハーフトラックを揺らす。
 そんな揺れの中でも寝ているのは浩一。ぽややんとしているゼルフィン。
 ジープの揺れに任せて、ゼルフィンと浩一の胸がユッサユッサと激しく揺れる。
 それをガン見しているのはエンタとミコトとサウル。
 (『元が男という証拠』は嬉しい‥‥『ペッタンコなオチ』は悲しい‥‥)
 揺れない胸に、大揺れなエンタの心境。
 (羨ましい‥‥アレほどあれば‥‥)
 胸に手をつけ、ため息するミコト。
 揺れるたびに揺れる果実に釘つけなサウル‥‥少し鼻血が出ている。
 (なんというか‥‥アレだな)
 体は女性になったが――こういう所に反応するのが男性の名残か。
 

 ――畑
 トラックから降りた傭兵たちが散開して展開する。
 眠たそうに目をこする浩一。
 サウルは「探査の眼」を使い、警戒する。
「ぬめぬめしてるのって、苦手だなぁ‥‥もしかして、この穴から出てくるのかなぁ‥‥?」
 ミコトがポッカリと空いた怪しい穴を覗き込むと――何かが動き――。
「キャーッ、気持ち悪い〜」
 飛び出してきたミミズキメラが絡みつき服に潜る!
 慌ててアーミーナイフで刺そうとするがヌメってうまく刺さらない!
 もぞもぞと服の中を上へ下へ色々な所へ移動するたびに喘ぎ、ミコトの表情が赤くなっていく。
「あっ‥‥あっ‥‥」
 ガクガクと膝を痙攣させると糸が切れたようにへたり込むミコト。
 キメラはその隙にミコトの足から素早く地中へ逃げだした。
 そんな、ミコトに毛布をかけてやり、後方の助手の所に連れて行く浩一。
 この――破廉恥な状況を見た傭兵達は戦慄し気を引き締めた。
 それを嘲笑うかの様に二匹のキメラが飛び出し、アーレイに絡み付いた。
 戦闘経験が無かったのが災いし狙われたようだった。
「ひゃぁっ! ぬるぬるしたのがはいってきますっ!」
 一匹が上半身、もう一匹が下半身へと絡みつき――痴情な光景が繰り広げられていた。
「うあぁぁ‥‥ミミズに絡まれて身動き取れないですぅ」
 立つのが辛いのだろう、へたり込みんでしまい――『ヌチャ、ヌップヌップ』と音と声が響く。
 いろいろな意味でとてもお見せできる光景ではない。
 露出している胸はキメラのヌメって泡だった白いモノにより汚されテカっていた。
「たっはー‥‥あれは‥‥あたしは嫌だなー‥‥」
 ミコトよりも艶かしい状況になっているアーレイを見てエンタは呟く。
 恍惚な表情をしているアーレイ、逃げ出すキメラ。早速、ある意味でアーレイは戦闘不能だ。
 また一人、浩一によって毛布をかけられミコトの所へ連れていく。
 破廉恥極まりない攻撃をしてくるキメラに傭兵たちは一層、警戒を厳かにする。
 そう――幾ら姿を変えていても痴態を演じるのはさすがに恥ずかしい。
 残りは後、六人――ゼフィルが先頭に立ちキメラをおびき寄せようとする。
 待ってましたとばかりに襲うキメラ――何時もの様に動こうとするが――体の変化により重心が崩れて前のめりにこけてしまう。
 嗚呼、悲しきかな――ゼフィルもキメラの餌食になってしまった。
 前のめりでコケたせいもあり、四つん這いの状態でキメラにホールドされてしまった。
「いやぁあ〜」
 嫌がってはいるが、嬌声のようにも聞こえる声を上げて抵抗するゼフィル。
「っむぐ、むぐぐぐ‥‥!?」
 そんなゼフィルの口ふさぐキメラ。鼻で息ができるおかげか窒息には至ってない。
「っはぁ!」
 何とか口を塞いだキメラをどけ、口内に溜まったキメラの体液を吐き出す。
「うぅぅ‥‥」
 キメラの戒めが解けたのをチャンスとばかりに逃げ出した。
 地中にもぐるキメラ――そして、サウルの後ろから襲いかかる!
「あっぶねぇ」
 それを助ける瑞姫! 奇しくもサウルの下敷きになる瑞姫。
「大丈夫か・・・んっなんだ。うぁ」
 が、体が軽かったので大したダメージにはなってなかったが、赤面するサウル。
「や、あの人に、いや、今は俺だけど・・・何しやがんだ!」
 激昂するサウル、剣を構え背中合わせに構える傭兵たち。
「いつもの身長じゃ‥‥コレ。自由に振れないんだよねー」
 体格が変わって剣が扱い易くなった事に喜びを見出すエンタ。
「そろそろ、やりますか」
 眠たげな表情から意識を覚醒させ敵を見据える浩一。
「俺は、お前らみてぇなのとやる趣味はないんでね」
 射殺さんばかりにキメラを睨みつける瑞姫。
「僕も頑張るよっ!」
 何となく「男」は狙われないという勘がことみを前向きにさせる。
 これ以上は色々と危ない――残念ながら色々と。
 三方から襲いかかるキメラ、ソレを切り落とそうとする傭兵たち。
「来たぞっ! てぇい!」
「ヤァ!」
 まず一匹をサウル・瑞姫と連携し、キメラが飛び出てきた所を瑞姫が斬りかかり、逃げようとする所へサウルが追撃の斬撃を入れた。
 二人に斬り伏せられ倒されるキメラ。
「こないでー」
「危ないッ!」
 もう一匹のキメラはエンタに狙いをつけるが、浩一が弾き飛ばしエンタがクリティカルな一撃を与え倒した。
 「来ないでくださいー」
 同じ頃、ことみに襲いかかるキメラを銃撃するがうまく当たらず、突っ込んでくる!
 すんでのところで回避し、事なきを得たことみはダガーに持ち替えて対峙した。
 他の傭兵たちも戦闘中のため一人で対処しないといけない。
 跳びかかるキメラを回避しながらすれ違いざまに一撃を入れていく。
「らちがあかないですー」
 ボクっ娘と言うより男の娘なことみは危険を感じていた――下手をするとキメラに襲われて恥ずかしい事になることを。
 襲いかかるキメラに対し、正面からダガーを相手の力を利用した形で突き立てるとキメラはぐったりして動かなくなった。
 最後のキメラは倒された。
「いいデータはとれたかな?とれたんだったら早く帰ろう。かえってお風呂に入んないと気持ち悪いったらないよ‥‥」
 助手の所にいたミコトは助手に頼んだ。
 

 戦い終わって
 ラボでは傭兵たちが姿が戻るまで各々の時間を過ごしていた。
 エンタとミコトとアーレイとゼフィルの4人は風呂に入って体を休めている――時折、『キャッキャ』と黄色い声が聞こえてくる。
 サウルは早々と風呂から出て、記念に最高の笑顔で写真を撮り、それをロケットペンダントに直し大事に持っていた。
 瑞姫は時折、声を出して何かを思案している――何かを思い出すかのように。
 ことみは笑顔で大きいパフェを幸せそうに食べていた――見かけによらないが助手はこの手の料理が得意だったりする。
 浩一はそんな、皆の様子を微笑ましく見てまったりとしている。
 
 ――時が来る
 姿が元に戻る予定時刻には傭兵たちが集まっていた。戻る様子を観察するのも依頼のうちだ。
 次々と――傭兵たちは元の姿に戻っていく。その様子に落胆するものもいればせいせいした感じの者もいる。
「あっ‥‥」
 瑞姫は声を出してみる――元の声だ。
「元に戻ちゃったな‥‥、残念だなもう二度と聞けないなんて」
 不意に瑞姫の眼に涙が流れ、頬を濡らす。
「ソレしても‥‥戻ると恥ずかしいな」
 瑞姫はそう呟いた。
「女の子に戻ったのですから男の子の服を着なくても‥‥」
「違うよっ!」
 女性の服を着せようとするアーレイと着せられそうになるエンタのコントのようなやり取りが繰り広げる。
 そんな喧騒をよそに浩一が助手に話し掛ける。
「痩せたらあれに近くなるかもよ?」
 助手にダイエットを勧める浩一。身長の割に体重のせいで膝を痛めているのを心配したのだろう。
「ああ‥‥そうだな」
 何かを考える込む助手――何を思っているのだろうか‥‥。
 
 Fin