●リプレイ本文
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オーストラリア沿岸
朝
セシリー・ニミッツ(gz0463)の呼びかけで集まった傭兵達。
「こんにちわ。セシリーさん」
「‥‥セシリー‥‥こんにちわ」
「セシリー―、こんにちわですわ」
「こにちわっ。冬無さん、ヴァサーゴさん、麗華さんっ。今回もよろしくねっ」
伊万里 冬無(
ga8209)、L3・ヴァサーゴ(
ga7281)、大鳥居・麗華(
gb0839)の連れ立った三人がセシリーに挨拶をする。
「大変そうですね〜‥‥でも任せて下さいです♪ 必ず見つけ出して、一攫千金といきますですよっ♪」
「セシリー、ここで一発見つけて借金を少しでも返せるといいですわね?」
「宝探し‥‥頑張る‥‥」
「ありがとうっ。心強いよっ」
胸を叩き任せなさいとばかりな冬無と見つかるといいわねと言う麗華、頑張るといった感じをさせるヴァサーゴ。
そんな協力してくれる三人に感謝するセシリー。
「一攫千金‥‥其処までする程‥‥借金、過多‥‥?」
「アハハ‥‥」
ふと、気がついたヴァサーゴがセシリーに問うが、笑って誤魔化されてしまう。
「セシリーちゃん、こんにちわー」
「こんにちわっ、藤子さん」
続いて樹・籐子(
gc0214)がセシリーに挨拶を
する。
「宝探しってある意味ギャンブルと似た様な気がするのよねー」
「アハハ‥‥」
藤子に図星を突かれて汗を流しながら笑っているセシリー。
「よう、セシリー」
「追儺さん、こんにちわっ」
戦争も終わったということで楽しむことを主眼においた追儺(
gc5241)がセシリーに挨拶をする。
「宝、見つかるといいな」
「うん、今日はヨロシクねっ」
追儺と一言二言交わす。
「こんにちわ、セシリーさん」
「こんにちわっ、エルレーンさんっ」
挨拶を交わすセシリーとエルレーン(
gc8086)の二人。
「セシリーさんは、そんなにおかねがほしいの?」
真顔でセシリーに聞くエルレーン。
「お金、返さなきゃね」
エルレーンの真剣な問いにきちんと答えるセシリー。
「私のおししょーさまは、ねっ‥‥いっかくせんきんなんてありえない、ゆめのまたゆめだ、って言ってたよっ」
「そう、かもね‥‥でも‥‥。エルレーンさんは今回どうして?」
「え、私?‥‥うふ、私、きらきらしたものがだいすきなの! だから、ねっくれすとか、ゆびわとか‥‥うふふ、きれいな宝石、ほしいなぁ!」
「なるほどっ」
一攫千金はありえないかもしれないけど、ちょっとした宝物を期待するエルレーンだった。
「はぁい♪セシリーさんお久♪ 宝探し頑張りましょうねぇ♪」
「わわっ、お久しぶりですっ。霧依さんっ」
エルレーンとの会話の後、会った雁久良 霧依(
gc7839)に挨拶のハグをされてちょっとびっくりしたセシリー。
どうやら、引いているカートには調理器具も用意しているようだ。
「楽しみだゎ♪」
色々な意味で楽しみにしている霧依だった。
「やっほー、セシリーさん。宝探しだって? 見つかるといいよねっ」
「こんにちわ。あ、写真ありがとう」
セシリーを見つけたパステルナーク(
gc7549)が前回の依頼でとった写真を差し出す。
こうして集まった傭兵達とセシリーによる宝探しが始まった。
●探索は続くよ〜朝
「おたから、おたから♪」
「この辺なんか、ありそうなんだけどなぁ」
パステルナークが事前に調べたデータから当たりを付けて追儺とエルレーンの三人で調べている。
「海流の影響で物が集まる場所はあるから、そのあたりを中心にだな」
追儺がパステルナークのデータをもとに絞込みを行う。
幾つかの候補地を選定する事が出来た――それでも、一日は掛かりそうだが。
「時間は限られてますですから、頑張りましょうです♪」
黒ビキニ姿に潜水具装備な冬無の手には防水な使い捨てカメラが。
「さて、ここでバッチリ見つけてしまいたいですが、そう簡単にはいかなさそうですわね」
赤のローライズビキニに水中剣を手にしている麗華が苦笑しながら言う。
「三人で‥‥其々、別の方向を見つつ‥‥人工的な構造物、無いか探してみる‥‥。はっきり、船と分からない場合も、あると思う故‥‥」
腰回りにスカートが付いた黒のゴシック風ワンピースを着たヴァサーゴが提案する。
冬無、麗華、ヴァサーゴの三人が其々に探し始める。
「あー、そうそう。こういう冒険には障害が付き物で、海関係だとイカタコ辺りが迎撃してくるかもねー」
「羞恥心は行方不明だから、剥がれても問題ないわ♪」
「アハハ‥‥」
どんと来い! な、藤子と霧依がいるセシリーのチーム。
いつものマイクロビキニな霧依とマリンブルービキニな藤子。
無論、ヤラれるだけではなく、武器もきちんとある。
●前途に現れしものは〜昼
「潜ってばかりだと、能率も下がっちゃうしねっ。気分転換も大事だよっ」
「ああ、パステルの言うとおりだな」
「お昼っ♪」
パステルナークの提案で沖に戻る三人。
コーンポタージュを配るパステルナークに軽食を配る追儺。
海を見ながら昼食を取る三人。
休憩を挟んで潜ることになる。
一方――海の中では
「ふ、毎回毎回水着取られて困ったりはしませんわ♪」
大ダコキメラと遭遇し、戦闘しようとする麗華。
「このままさっさと倒し‥‥しま!? ひゃぁ!?」
タコキメラの触手の吸盤が斬りかかろうとする麗華の水着をお約束のように剥ぎ取る。
「でも、着替えがありますですわ!」
そう、着替えを用意していたので気にすること無く突っ込んで触手を切り払おうとするが‥‥。
「はぅ!?」
いろんな所を吸い付かれる――と言うよりも、触手に巻き付かれてしまう麗華。
「あはっ♪ 麗華さんたら、うっかりさんですね〜お似合いですよ♪」
そんな様子を傍から見て、使い捨てカメラで撮影しているのは冬無。
「いいです♪ きゃ!?」
麗華のあられな姿の撮影に夢中なうえ、ファインダー越しという視界の悪さが手伝ってダイオウイカキメラの襲撃を受ける冬無。
「水着がボロボロです‥‥」
咄嗟に逃げた為、絡みつかれる事は無かったものの襲われた冬無の水着は吸盤の力で瞬く間にビリビリになり、撮影したカメラは掴んでいた為に落とすこと無く無事だった。
「冬無‥‥麗華‥‥援護する‥‥」
ヴァサーゴはまず、触手モノのヒロインよろしく絡みつかれている麗華の救出に向かう。
「助かりますわ」
ヴァサーゴは迎撃してくる残った触手を『試作型水中剣「アロンダイト」』で切り払って麗華を助けだす。
こうして「三人」の破廉恥な戦闘が幕を下ろす。
一方、霧依・藤子・セシリーの班は‥‥。
「探査の眼」を使って辺りを調査する藤子と霧依・セシリーは死角に注意しながら探索を続ける。
が――。
「わひゃあ!?」
物陰からタコキメラに襲われるセシリーはあっという間に剥がれてしまう。
無論、それだけではなくキメラの吸盤があらゆる所に吸い付く上に絡め取られてしまう。
「セシリーちゃん、今行くわよー」
「あらあら♪」
救出しようと駆け出す藤子と霧依。
「!?」
掴んだセシリーを放り出してスミを二人に浴びせるキメラ。
「ひゃん! そこ吸盤で吸っちゃダメぇ‥‥♪」
次は霧依が捕まるハメに――逃げ出せそうだが、楽しんでいる様子の様だ。
「そろそろ終わりにましょうねー」
藤子がタコキメラに『スマッシュ』を決めて撃破する。
「あら?‥‥」
何かを見つける藤子――『GooDLuck』のおかげだろう。
●皆で探索 昼〜晩
偶然、藤子が見つけた沈没船。
「沈没船発見さる」の情報は直ぐに他のチームへと連絡された。
休憩して、体力と気力共に充実しているパステルナークと追儺とエルレーンのチームが先達て調査することになった。
冬無のチームと霧依のチームは念の為にキメラに寄る襲撃を警戒する。
(こういう沈没船は老朽化に気をつけないとな‥‥)
ハンドサインで注意を促す追儺。
どうやら、相当に古い船のようだ。
(うふふ‥‥お話に出てくる沈没船みたいなの)
如何にもな宝箱が出てきそうな沈没船にわくわくが止まらないエルレーン。
(まさか、とは思ったけど相当古いねっ)
事前調査をしてたいもののまさかな展開に驚くパステルナーク。
暗い船内の中、明かりを照らしながら崩落に注意しながら調査する。
船内の調度品も船相当に古いようだ。
(‥‥ここまで原型をとどめているのも不思議なものだ)
(ひょっとして、すごい発見かも?)
(幽霊出ないよね?‥‥)
沈没ししても尚、ゴシックな雰囲気の船の中を調査する三人。
襲って来るキメラが居ないことを確認した2つのチームも捜索に参加する。
(これは期待できますですね♪)
(周りに注意しませんとですわね)
(‥‥何が‥‥有るのかな‥‥)
冬無達は船尾から調査することになった。
(相当、古いわねー。幽霊とか出そうよねー)
(調査に時間がかかりそうよね。『食材』を待避させておいてよかったわね) (これなら‥‥これなら、結構返済できそうっ)
霧依達は反対の船首から調査することになった。
念入りに調査していく――。
調査の結果――中の物を取り出すにしても引き上げる必要が有ることが判った。
●打ち上げ
「沈没船発見を祝ってカンパーイ!」
「カンパーイ」
霧依達や冬無達が確保していたタコキメラやイカキメラを焼きながら打ち上げを行う傭兵達。
「セシリーお疲れ様ですわ♪ いいお酒が手に入ったので一杯どうです?」
「あ、麗華さんっ。いただくよっ」
セシリーのコップに酒を注いで渡す麗華。
「お疲れさん」
「追儺さん、お疲れ様ですっ」
セシリーの元へやってきた追儺。
「これからだが、どうする?」
「うーん‥‥まだ考えてないですねっ」
「何か明確にあるわけでもないが、俺は世界を回ろうかなと。結局、何が変わったなんてまだ分かりはしないんだ‥‥変わった世界を見て回るのも良いし、そういう奴がいれば、一緒に回るのも良い。新たな世界で何かを探そうと思う」
「新たな世界かぁ‥‥」
星を見ながら、これからの事について語る追儺とそれを聞くセシリー。
波の音と炭の焼ける音が静かに、歓談の声が活気よく流れる。
「ほらほらー焼けたわよー」
「うふふ、おいしそーなの!」
ジャンジャカ焼いているのは藤子に焼けたお肉を美味しそうに見ているのはエルレーン。
「はい、エルレーンちゃん」
「ありがとうなの!」
ショーウィンドウを覗くようにジーと見ているエルレーンに焼けた肉をよそって渡す藤子。
「はむはむ♪」
受けとって美味しそうに食べているエルレーン。
「まだまだ、有るわよー」
「イカもタコもあるわよ」
藤子の他にも霧依も魚介を焼いて配っている。
「それじゃ、イカをもらうよっ」
「熱いから気をつけてね」
「うんっ」
パステルナークが霧依から焼けたイカを貰って頬張りながら食べる。
「依頼、出してくれてありがとう。セシリーさんや皆と一緒で、とっても楽しかった。また、一緒にどこか行けたらいいねっ」
「うんっ。参加してくれてありがとう。また、何処かいけたらいいね」
少し落ち着いたパステルナークはセシリーに話し掛け、セシリーも感謝の言葉を返し、他愛もない話を続ける二人。
楽しい打ち上げが続く。
「みんなー。花火なんかどう?」
打ち上げのBBQが少し落ち着いた頃、パステルナークが用意した花火を持ってきた。
「いいですわね」
「花火か、いいな」
「楽しみです♪」
「花火‥‥儚い‥‥綺麗‥‥」
「わ、花火だー」
手持ち花火をする者、線香花火に興じる者、打ち上げ花火をする者‥‥其々が其々で花火を楽しむ。
「ハイ、チーズ。うふふ」
「こっち向いてっ」
そんな、花火の様子を撮影する冬無とパステルナーク。
時が過ぎもていい思い出になるだろう。
少し離れた海岸
「‥‥♪」
皆との楽しい食事を終えたエルレーンは波打ち際で何かを探している。
「エルレーンさん?」
「これっ、おししょうさまに持って帰るのぉ!」
エルレーンが差し出したのは色とりどりな綺麗な貝殻。
エルレーンにとっては色とりどりの綺麗な貝殻もまた、キレイな宝石だ。
後日
沈没船はマニアなお金持ちによって引上され、精算されたお金がセシリーに支払われて各々の傭兵達へ支払われた。
Dive To In The Sea! FIN