タイトル:【埼玉】大宮再偵察マスター:後醍醐

シナリオ形態: ショート
難易度: やや難
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/09/08 12:17

●オープニング本文


 東京が解放されてそろそろ一年。依然、関東各地では小競り合いが続く中、埼玉の戦況もまた硬直していた。
 主戦場は宇宙へと移り、地上バグアの勢力は徐々に削られている。
 だが、宇宙へと主力を取られているのはUPC軍としても同様であり、敵本拠地へと踏み込む決定的な契機と戦力を得られずにいた。
 そうした状況の中で、業を煮やしたのは――バグアが、先だった。
「私に愉しみを与えるための家畜に過ぎない存在が‥‥随分調子に乗り始めているようですね」
 人類の文明と文化を弄び冒涜する。心地よい悲劇と怨嗟の養殖場。埼玉とはそういう場所であるよう、彼は部下たちに指示した。彼自身も、大宮にて、人類文明の象徴をこの地にすむ者自身の手によってバグアのものへと作り変えさせるという行為によってそれを堪能していた。
 人類は少しずつ絶望を積み重ねて、やがてそれすらも感じなくなる――その、はずであったのに。
 ここしばらく、逆らうものが増えてきた。鬱陶しい、希望というものを目に灯すものが。
「ならば今一度‥‥あなたたちなど所詮、こちらの戯れで生かされているにすぎないと言うことを、思い知らせる必要がありますね‥‥」

 そうして。戦力の増強と見せしめを兼ねて、住民を少しずつキメラや強化人間と変えるよう、埼玉では密かに指示が進められていたのだ‥‥――
 
 ●大宮――
 キメラの工場や強化人間の工場が立ち並ぶ。
「【千葉】ももう少しで奴らの手に落ちそう――となれば撃って出るか」
 【千葉】のこともあったのだろう一部からの要望で戦力増強を兼ねて住民を強化人間へ、キメラへと改造する計画が立ち上がった。
「オーストラリアに行った千葉組だが、宇宙に脱出したようだな」
「脱出する際にデータを送ってくれたものの――こちらじゃちょっと難しそうだな」
 旧千葉組独自の技術故か、強化人間を再現するには至ってない。
「いやぁ、三桁近い『素体』が無駄になったな」
「『彼等』がいないと完成は無理みたいですね。流石、と言うべきか」
「ま、うちらはうちらで何とかするしか無いな」
 トラックで運ばれていく人々を見て言うバグア。
「しっかし、奴らも来るんじゃないか?」
「来ても、コイツらがあるから早々、侵入は許さないさ」
 
 
 ●
 東京方面から向かうUPCの偵察KV隊。
「大宮の動きがおかしいようだな」
「大したことないだろ?」
 余裕綽々の偵察KV隊――が。
 
 光が――地上に設置された大型プロトン砲が十字砲火された上に――貫通し爆散するKV
 
『ブレイク!』
 
 突如の対空砲火に混乱しつつも、散開するKV隊。
 だが――。
 それを狙ったように、殺到するプロトン砲。
 一機、また、一機と堕ちていく。
 そのまま戦死する者、無事、脱出するも敵の捕虜になる者――それ以外の者は存在しなかった。
 
 彼等の残したデータ――それは巧妙に隠されたドーム型の大型プロトン砲台の対空陣地とレーダサイトであった。
 
 ●LH 本部
 
「宇宙機の支払いをしないとなー」
 主な原因は酒の支払いというのは内緒なセシリー・ニミッツ(gz0463)、大概である。
「偵察任務‥‥撮影して帰ってくるだけの簡単なお仕事?かな?」
 依頼を見るセシリー。
「じゃ、これにしようっ」
 即決して直ぐに向かうセシリー。
 依頼の文書をスクロールしたその下には――『対空火器多数注意』と書かれていた。
 依頼書は最期までよく読みましょう。
 

●参加者一覧

伊万里 冬無(ga8209
18歳・♀・AA
リュドレイク(ga8720
29歳・♂・GP
大鳥居・麗華(gb0839
21歳・♀・BM
ソーニャ(gb5824
13歳・♀・HD
ドゥ・ヤフーリヴァ(gc4751
18歳・♂・DF
月見里 由香里(gc6651
22歳・♀・ER
フィリス・ランティール(gc6701
16歳・♀・HA
パステルナーク(gc7549
17歳・♀・SN

●リプレイ本文

 ●出撃前
 日の降りた漆黒の闇に閉ざされた基地。
「どうしよう‥‥どうしよう‥‥」
 依頼書をよく見ていなかったセシリー・ニミッツ(gz0463)は現状に狼狽える。
 そう――ただ、空撮すればいいと考えて居たのだ――だが、目指すは偵察部隊が全滅した地域での再偵察任務。
 下手をすれば――空に散るだろう。
 だが、セシリーの表情が変わる、それは涙目から安堵の表情へと――見知った顔や、初めての仲間の傭兵達を見て。
 
「セシリーさん、こんばんわです♪」
「あら、セシリーじゃないですの。あなたが何でこんな危険な依頼に?」
「こんばんわっ! 冬無さん、麗華さん‥‥ありがとうございます! 実は‥‥」
 ちょっと涙目で、笑顔で挨拶するセシリーは伊万里 冬無(ga8209)と大鳥居・麗華(gb0839)に、宇宙機の借金を返す事と依頼書をよく見てなかった事を説明する。
「もぉ〜セシリーさん、依頼書はちゃんと最後まで見ないとですよ?」
「あはは‥‥気をつけるよっ、でも、ありがとう!」
 ちょっと呆れ、注意する冬無と頭を掻き少しバツの悪そうにしつつ笑顔になって感謝を述べるセシリー。
「宇宙機の支払いということでしたらしっかり手伝わせて頂きますわ♪」
「ありがとうっ!」
 任せと胸を張る麗華に、頼もしさを感じて笑顔で感謝するセシリー。
「こんばんわ、セシリーさん、HALO降下の時以来かしら。ボクのこと、覚えてる? ボクは空ばかりだから、会う機会もなかったかな」
「こんばんわっ。 覚えてるよっ! あの時はありがとうねっ! 今回も大変だけどよろしくねっ」
 見知った顔――以前、依頼を共にしたソーニャ(gb5824)に今回、参加してくれたことを感謝するセシリー。
「こんばんわ。今回、よろしくお願いします」
「‥‥こんばんわ。‥‥はじめまして。お願いします」
 ドゥ・ヤフーリヴァ(gc4751)の挨拶にやや、緊張した面持ちで答えるセシリー。人見知り故に、こう言う喋り方になってしまう。「こんばんわ、よろしくお願いします」
「‥‥よろしくお願いします」
 フィリス・ランティール(gc6701)の挨拶をしどろもどろながら返すセシリー。
「こんばんわぁ。今回、よろしゅうな?」
「あ、はい、はじめまして。‥‥よろしくお願いします」
 はんなりとした京都弁の挨拶をする月見里 由香里(gc6651)にややどもりながら挨拶するセシリー。
「こんばんわ。よろしくお願いします‥‥最後まで読むのは大事なことですね。ええホントに」
「はじめまして‥‥よろしくお願いします‥‥き、気をつけます」
 リュドレイク(ga8720)がっぽく言うが、慣れてないせいか恐縮しまくるセシリー。
「はじめましてっ、埼玉解放のためにも頑張るんだからっ」
「‥‥はじめまして‥‥よろしく、お願いします」
 元気に挨拶するパステルナーク(gc7549)。やや元気さに押される形で挨拶するセシリー。
 挨拶が終わったところで、簡単にミーティングを開いて作戦を決めた。
 
 
 ●出撃
 滑走路を飛びだつKV達。
 部隊の要である電子戦機のクリスマス仕様なピュアホワイトの『カドル』を駆るのは冬無、空撮と管制を担当する。
 攻撃班の機体が離陸していく。
 攻撃と囮役を買ってでたリュドレイクが操縦するのは『K−02小型ホーミングミサイル』等々、積んで重武装なヴァダーナフが離陸する。
 その後に、攻撃しながら撮影を担当するソーニャが操縦するロビンの『エルシアン』が軽快に離陸しいていく。
 青いソーニャの機体に続くのは、攻撃担当のドゥが操縦するのは宇宙装備で身を固めたタマモの「フック・フォクス・イーノクス」。
 同じ機体が続いて離陸する。パステルナークはドゥと同じタマモの『Lunaris Umbra』。
 攻撃班最後の離陸はフィリスが操縦するのは知覚装備満載のディアマントシュタオプの『Fee des Liedes』。
 
 攻撃班が離陸後、空撮・支援班も離陸を開始する。
 先ず離陸したのが、空撮と電子支援担当の月見里が操縦する幻龍の『禄存』。
 続いてセシリーとロッテを組んで攻撃支援をする麗華のニェーバ。
 最後にセシリーのノーヴィ・ロジーナが離陸していった。
 
 
 離陸後、幾分か経つと――偵察目標である大宮の街が見える。
「んふふぅ〜隠しごとはいけませんです。残らず暴かせて下さいですよ♪」
 冬無は機体性能をフルに使い事前に得たデータとともに敵陣地の調査に当たる。
「‥‥鬼が出るか蛇が出るか、分かりまへんけど、情報収集は肝心やからね。うちも懸命に務めさせてもらいます」
 月見里は空撮を担当しながらも冬無と連携して味方に電子支援を行なっている。
「セシリー、あなたは私がしっかりフォローしますから安心しなさいな」
「麗華さん、ありがとうっ」
 ロッテを組んでいる麗華が不安そうにしているセシリーに話しかけ、それによって笑顔になるセシリー。
「油断はなりませんよ? 俺達が飛ぶ敵地は既に墓ですから」
 ドゥが皆に気を引き締めるように言う。
 帰ってくるのは無言の頷き――一気に傭兵達の雰囲気が変わる。
「先行強襲し、敵防空兵器を狙い撃つ! ランティールさんや皆も準備いいね?」
 ドゥがそう言うと一斉に攻撃を開始する。
 
「今回も刺激的な空だね、一緒に楽しもう」
 先ず先行したのがソーニャだ。
 空戦形態でアリス常時起動させて、バレルロールでクルクルと回転しながら対空砲台の大型プロトン砲から伸びる光条を掻い潜りながら回避していく。
 殺到するプロトン砲の光条、それを掻い潜りながら回避する様子は綱渡りな状態だ。
「そろそろだね」
 『GP−02Sミサイルポッド』と『GP−7ミサイルポッド』から発射される小型ミサイルが回避機動を取りながら飛んでいるソーニャの『エルシアン』から白煙を吐きながら大量に射出される。
 射出された小型ミサイルは対空砲台に殺到するが、近くにあった自動パルスレーザー砲の砲台により全て迎撃されてしまう。
「脅威度判定が上昇とっ」
 だが、ソーニャの狙いは其処にあった――ミサイルは囮にすぎないのだ。
 更にソーニャに対する攻撃が激しくなる――。
 
「とりあえず‥‥レーダーサイト、潰しませんとね」
 ソーニャが敵をひきつけている間にリュドレイクはレーダーサイトの攻略に向かう。
「何かある‥‥って、何だろ? ‥‥ま、撮れば分かることだよね。それまでは一杯駆け回ろっかな‥‥いくよ、あたしの妖精」
 機体に語りかけるフィリスもまた、レーダーサイトを狙う。
 コクピットに表示されいるマップには冬無や月見里からの情報により、レーダーサイトの場所がピックアップされている。
 ちなみに、マップ上で縦横無尽に動いているのがソーニャだ。
「見事に、迎撃されてますね」
 ソーニャが放った小型ミサイルが迎撃を受けている様子に遭遇する。
「ですが――これならっ!」
 『K−02小型ホーミングミサイル』を2スロット順次発射させ――750発の小型ホーミングミサイルが機動を描きながらレーダーサイト群に殺到する。
 無論、レーダーサイトを護るように設置されている自動パルスレーザー砲台も殺到するミサイルに対して迎撃を行なっている。
 だが、攻撃はリュドレイクだけの攻撃ではない――。
「無理矢理でも、押し通るっ!」
 フィリスの機体から『ドゥオーモ』のミサイルが一気に100発も放たれ――1基のレーダーサイトへ殺到する。
「さて、まずは最初の目標をしっかりと潰してしまいませんとね。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、ですわ!」
 攻撃の支援をする麗華の機体は『ホーミングミサイル「アルコバレーノ」』を順次発射し、迎撃を行なっている自動パルスレーザー砲台へ28本のミサイルが虹を描くような軌跡を描いて向かう。
「『目』を潰せば!」
 ドゥもまた飽和攻撃に一石を投じる――『GP−9ミサイルポッド』から450発の小型ミサイルが順次発射され、レーダーサイトへ襲いかかる。
「増援を呼ばれないように、さっさといくよっ」
 レーダーサイトが生き残っていることによる増援を警戒して皆の攻撃に合わせて『高分子レーザー砲「サンフレーア」』を射撃させる。
 色とりどり軌跡を描くミサイルに大量の小型ミサイルが白い軌跡を描き、高分子レーザが光条を描く。
 対して、絶え間なく連続して続く迎撃による爆発とそれを抜けたミサイルやレーザの光条によりダメージを受け爆発するレーダーサイトに自動パルスレーザーの砲台。
 冬無のピュアホワイトの『ヴィジョンアイ』、月見里の幻龍の『蓮華の結界輪』によって何時も以上に攻撃が当たる。
 また、『蓮華の結界輪』の逆探知によってデータになかったレーダーサイトを見つけることが出来て、攻撃目標に追加されていた。
 結果――
 砲台やレーダーサイトの自動パルスレーザーによる迎撃は押し切られて全滅。迎撃手段を失ったレーダーサイトに殺到するミサイルやレーザによって半数近くが沈黙する。
 初撃にすれば――大戦果だ。
 大型プロトン砲を搭載した砲台のピッタリと追尾するような精度が落ちる、追尾にラグが出ている――対空砲台自身のドームに格納されているレーダーだけでは縦横無尽に素早く機動しているソーニャを追尾するのは難しい。
「――狙ってますです」
「あきません、狙ってますで」
 無論、全ての対空砲台がソーニャを狙っているわけではない――が、ピュアホワイトと幻龍によって砲台の動向の監視によって狙いを外すことに成功していた。
 自動パルスレーザーという守りを欠いた固定砲台群は動かない的と同じだ――肝心の対空砲台が健在であるが、それも時間の問題だ。
「こういうの、オニサンコチラ、っていうんだっけ?」
 フィリスは高度を微妙に変えて射線に重なるのを避けながら残ったレーダーサイトへ『レーザーライフルML−3』を使い、タックをかける。
「全てのレーダーサイトを沈黙させれば――『大男総身に知恵が回りかね』ですね」
 無論、楽観はしてないが――砲台自体にもレーダーが積まれているとドゥは予想する――が、レーダーサイトを潰せばその大幅に対空能力が低下するのは先程の攻撃でも実証されている。
 残りのミサイルポッドをレーダーサイトへ叩きこむ。
「まだ、対空砲台が喧しいですが――これさえ潰してしまえば」
 リュドレイクは残ったミサイルと『127mm2連装ロケット弾ランチャー 』を存分に叩きこむ。
「後もう少しっ」
 続けてパステルナークも増援を気にしながらリロードした『サンフレーア』を撃ちこむ。
「セシリー。あの砲台を潰すためにも確りとですわ!」
「判ったよっ!」
 『84mm8連装ロケット弾ランチャー』を放つ麗華に、セシリーが『150mm対戦車砲』を撃ちこむ。
 ぎりぎりのラインを飛び続け、時には『レーザーライフルWR−01C』を撃ち込んでいるソーニャとフィリスが対空砲台の攻撃を引き付ける。
 そして、冬無と幻龍の2機による電子支援のおかげで上手いこと各機の攻撃が残りのレーダーサイトに当たり、壊滅した。
 残るは対空砲台――。
「まったく、あんな厄介なものを‥‥。次はあの砲台の破壊に行きますわよ! セシリー、いけますかしら?」
「いけるよっ!」
 麗華がセシリーに声を掛けて砲台に攻撃を臨む。
「これからが本番、行きます」
 残る脅威は対空砲台のみ――囮として動きながら攻撃をすれば撮影班の問題なく活動できると踏んだリュドレイク。
「ここで堕ちたら意味がないっ!」
 苦労して障害を排除したのだ――ここで自身を、味方を撃墜させては意味が無いと意気込むドゥも次へと動く。
「‥‥ちょっと全力、いくよっ!」
 最後だからこそ――油断はできない。フィリスは『EBシステム』を使って攻撃に当たる。
「皆のこと、守るんだからっ」
 パステルナークは――『FETマニューバB』を使用して撹乱と攻撃の分散を狙う。

 月に照らされた大宮の都市。
 月に映るは三機の影――初戦からギリギリの回避を行いながら敵の攻撃を一手に引き受けているソーニャ。
 さらに増えたのは躱しながら派手な機動をして攻撃を――光条を掻い潜るリュドレイク。
 そして、『FETマニューバB』を使い、スラスターを利用しながら回避しながら撹乱をしているのはパステルナーク。
 三人は撮影班を、攻撃班を支援するために派手な機動やスキルを使い攻撃を一手に引き受け、回避している。
 だが――例外も存在する。
「危ないっ!」
「きゃっ!」
 『強化型ショルダーキャノン』を使い攻撃をしようとした麗華に大型プロトン砲の光条が直撃しそうになるが、ロッテを組んでいるセシリーが押して回避させる。
「私の麗華さんに、無断で傷付けて頂いたら困りますです♪」
 麗華が攻撃を受け、冬無は仕返しばかりと『G放電装置』で攻撃した砲台を撃つ。
「ぶ〜少しジェラシーです‥‥まだまだいきますですよ♪」
 支援していた冬無しも動く――戦況は其処まで有利になっていた。
 そう、レーダーサイトが無くなり、追尾に精細を欠き、その砲台を護る自動パルスレーザーもない。
 撹乱され、電子支援のもと繰り出される攻撃は容赦なく固定されて避ける事の出来ない砲台を襲う――早々に撃破されるのは自明の理だ。
 次第に、攻撃が止む。全ての――対空施設が沈黙した。
 警戒しながらも大宮の街を撮影していく傭兵達。
「何とか終わったねー。お疲れ様っ」
「さ〜長居は無用ですね♪ さっさと帰りましょうです♪」
 パステルナークと冬無の明るい声が依頼の終わりを告げる。
 帰投する傍ら――。
「必要でしたらいつでも呼んでくださいな。お手伝いはしますわよ♪」
 冬無、セシリーと並行して飛行している麗華が友人であるセシリーに手伝いを申し出る。
「私達が手伝いますですから。ねー麗華さん‥‥あれ、セシリーさん?」
 冬無もまた麗華と同じとように親友のセシリーの為ならと助力を申し出る。
「あ、ありふぁ‥‥っとう!」
 何故か動揺して噛んでしまったセシリー。
 (お酒‥‥控えよう‥‥返済に回そう)
「セシリーさん、依頼はちゃんと読まなきゃ、だよ?」
 少しバツが悪そうなセシリに−明るく声を掛けたのはパステルナーク。
「あ、うん‥‥気をつけるよ」
「そうですわよ。おっちょこちょいなのですから」
「ですです♪ 婚姻届にサインしてしまったりして♪」
「あははは!」
 そんなセシリーにちゃちゃをいれる麗華と冬無。
 そして、皆の笑い声がコックピットに流れる。
 
 LH食堂
「セシリー。おいしいお酒が飲めるようになったようだね。でも、ほどほどにね」
「うんっ‥‥今日は『まだ』一杯目だよっ」
 帰投後、LHの食堂でちびちびと大事そうに飲んでいるセシリーを見かけたソーニャが話しかける。
 セシリーは飲み方のスタイルを変えたようだ。
 
 数日後――空撮で得られた結果。
 それは、生気なない様子でトラックに積み込まれ運ばれる住民達であった。
 バグアの業は――深い。
 
 【埼玉】大宮再偵察 FIN