タイトル:【MO】カルンバ奇襲マスター:後醍醐

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/07/22 06:32

●オープニング本文


 ●東オーストラリア
 UPCとULTによる反撃はほぼ総力といってもいい兵員を動員した作戦であった。
 反撃を受けて小規模なシェルターがほぼ陥落し、残すは本拠地のシドニーのみとなった。
 総力を投入した作戦、広がる戦線――。
 
 これに対してバグア側も乾坤一擲の反撃に出た。
 狙うはカルンバ駐屯所。
 対バグア戦におけるHQであるこの駐屯地を落としてさえすれば、援軍もそして補給も絶てると考えられていた。
 全面攻勢で手薄になったタイミングを謀って襲撃に出た。
 
 投入される兵力は――温存されていた特別な強化人間達であった。
 【千葉】から招聘した研究者によって改良・開発された強化人間達。
 それらがカルンバ駐屯地強襲の任務を負って出撃していった。
 
 ●-XDAY〜
 人類による大規模襲撃を受けてシドニーでは一隻のBFが宇宙への出港に向けた準備を慌ただしく行なっていた。
 非戦闘員であるバグア達が続々とBFへ乗り込んでいく。
 それに合わせて幾つかのカプセル状のものが運び込まれていく。
「‥‥良かったのか?」
「残念ながら調整には間に合ってません。不安定な状況で出撃させて鹵獲でもされれば‥‥」
 (貴方はここで倒れるべきでないし、感化されすぎた‥‥)
 現場指揮官らしきバグアと強化人間の朱美 穂村がカプセル状の入れ物で眠った様な姿の高畑 直美を見ながら会話をしている。
「私達とあの子の妹たちだけでも十分です」
 こうして朱美 穂村は地上に残り、意図せず高畑 直美は宇宙へ行く事となった。
 
 ●0DAY
 カルンバ駐屯所
 一度とならず二度目の襲撃を受けた。
 駐屯地にむけて発射される幾条の閃光――そして、着弾する迫撃弾。
 武装をしたAH型強化人間とオリジナルよりも威力が落ちた収束砲による攻撃。
 ほぼ、奇襲を受けた状態だ――駐屯地に残っているのは数少ない傭兵達のみであった。
 

●参加者一覧

カララク(gb1394
26歳・♂・JG
狐月 銀子(gb2552
20歳・♀・HD
御守 剣清(gb6210
27歳・♂・PN
ロシャーデ・ルーク(gc1391
22歳・♀・GP
リック・オルコット(gc4548
20歳・♂・HD
モココ・J・アルビス(gc7076
18歳・♀・PN
クラフト・J・アルビス(gc7360
19歳・♂・PN
柊 美月(gc7930
16歳・♀・FC

●リプレイ本文

 ●奇襲
 カルンバ駐屯地――
 伸びる光条、迫撃弾の爆発により巻き上がる砂塵。
 場違いな戦場音楽に基地の厚生棟で休憩をとっていた傭兵たちが動き出す。
 
「派手にドンパチ始まったな?」
 突然の戦場音楽にも動じないリック・オルコット(gc4548)自身の前職が冷静さの秘訣か。
「守りに徹するのは苦手でな。敵の主力の迎撃に向かわせてもらうよ」
 敵襲の何者でもない――そう判断したリックは他の傭兵に告げると同じように迎撃に向かうグループと合流する。
「ロシャーデ、気を付けろよ? 続きはまた後でな?」
 リックが恋人であるロシャーデ・ルーク(gc1391)との別れ際に声をかける。
「えぇ。戦闘が終わったら続きをしましょう?」
 ロシャーデも気遣うリックの声に応えながら、一般人の保護を行うグループへ合流する。
 
「急がないとッ‥‥」
 狐月 銀子(gb2552)はエカテリーナ・ジェコフ(gz0490)と共に厚生棟の中を駆ける。
 非戦闘員の避難を行わせる為にエカテリーナのサポートのもと、放送施設のある部屋へ急行している。
「あった‥‥」
「BINGO!」
 急いで放送施設の電源を入れて避難を促す放送を入れる狐月。
 放送室前で敵襲を警戒するエカテリーナ。
「敵襲! これは訓練にあらず。 繰り返す! 敵襲! これは訓練にあらずッ! 厚生棟の非戦闘員は食堂に集合のこと! 繰り返す‥‥」
 厚生棟に狐月の切迫した声が響く。
 
「みなさん、こちらです!」
 御守 剣清(gb6210)は狐月の放送を聞き集まる非戦闘員を誘導しながらも、不審な人物がいないか警戒をする。
「あの人は?」
「ああ、掃除のだよ」
 時折、売店の職員や食堂の調理員に尋ねて警戒を確実にする。
「大丈夫です! 皆さんをお守りします!」
 非戦闘員の人々の不安を払拭するように明るく、力強く声をかける御守だった。
 
「守らなきゃ!」
 一目散に厚生棟から飛び出すモココ(gc7076)、その後に続くリック、柊 美月(gc7930)。
「加減はせんかんね。俺だって、オーストラリアを思ってるから‥‥嫌でも、やらんとね。よし、行ったる!」
 そんなモココの動きを見たクラフト・J・アルビス(gc7360)は気持ちに踏ん切りをつけてモココを追う。
「予定外だが‥‥仲間が帰る場所を無くす訳にはいかんな」
 モココが一目散に行動してリックが迎撃に向かう時、カララク(gb1394)もまた敵の迎撃に向かう。
 だが、向かう方向は屋上だ。
「把握することも重要だ」
 厚生棟の屋上で「タクティカルゴーグル」の望遠機能を用いて敵のや施設の状況の把握に努める。
「敵は‥‥」
 無線機を使い敵の侵攻状況を連携していく。
 
 
 各々が、襲撃に対して行動を起した。
 
 ●避難
「怪しい人はいませんでしたよ」
「ありがとう」
「間に合ったみたいね」
「これからが本番だな」
 厚生棟の非戦闘員の集合と警戒を行なっていた御守と厚生棟を駆けまわり避難に遅れた人員がないか確認をとっていたロシャーデ。
 そして、放送をしていた狐月とエカテリーナが合流することに成功した。
 銃撃音が、爆発音が少なからずとも近づいてくる。
 ズンッ
 衝撃で厚生棟が揺れ、天井からパラパラと欠片が落ちる――此のままでは危険だ。
「‥‥急いだほうが良さそうね」
「‥‥ええ」
 集まっている非戦闘員を縦列に並べさせ、撤退する準備をしている御守とロシャーデ。
「先行して安全の確保をする必要があるわね」
「ああ‥‥撤退は殿が一番厄介だ‥‥あたしがするよ」
 狐月とエカテリーナは撤退を支援する為に退路のクリアリングを行う準備をする。
 先行する狐月、護衛するロシャーデ、御守、そして殿を務めるエカテリーナ。
 迎撃組が抑えているという事と北側の出口から退出する事によって敵に悟られる事なく厚生棟を出ることに成功した。
 進んでいくと――。
「あれが‥‥」
 傭兵達の前には駐屯地の将兵が詰めている建物が目に入る。
「アタシはここで護るわ。頼んだわよ」
「了解したわ」
「わかりました」
 狐月がロシャーデと御守に将兵に非戦闘員と共に撤退する事を頼む。
「誰何!」
「ULTの傭兵です(わ)」
 建物の入口に障害物でバリケードを作り警備していた兵士に誰何を求められ答えるロシャーデと御守。
 兵士といっても――緊急用に備蓄していたSESの無い旧式の武器という、強化人間相手では歯がたたないだろう。
「彼我兵力差はあまり良くない、撤退を進言します」
「‥‥少し待っていろ」
 無線機でやり取りする兵士。表情が険しくなる――幾分か経ち。
「何とか撤退に同意したようだ」
 無線機でやり取りしていた兵士が疲れたように二人に告げ、建物へ入っていく二人。
「お願いがあるんですが‥‥」
 御守は兵士にお願いして高級士官の服を借り受ける――囮として。
「許可しよう」
「有難うございます」
 平時であれば身分詐称――特に軍は重罪――銃殺刑にもなりかねないが‥‥今は非常時だ、ふてぶてしい司令官の許可を得て変装する御守。

 一方、帰りを待ち、護衛をしている狐月。
「大丈夫、無事に撤退できるわ」
 未だ、激しい戦闘音が鳴り響く状況――不安を隠し切れない非戦闘員――戦闘に慣れてない故に不安な人々を元気づける狐月。
「アタシ達の仲間が抑えてくれてるし、なにせ強いしね」
 そう言うと無線機に何か喋り、ボリュームをあげて皆に聞こえるようにする。
「なぁに、すべて倒しても構わんだろう?」
 無線機から銃撃音と共に余裕が現れるリックの声が聞こえる。
「そういう事。大丈夫よ」
 無線機からの声はどうやら、皆を安心させた様だ。
 そして、二人が中の将兵達を連れ添って戻って来たようだ。
 
 厚生棟の非戦闘員と司令棟の事務方の非戦闘員と将兵を護衛しつつ撤退することになった傭兵達。
「司令棟の東側から北の駐屯地出口に抜けます」
 司令棟で手に入れていた地図からルートを選定するロシャーデ。
 
 思ったより大人数となった護衛対象。
 不慮の出来事や死角からの奇襲を警戒しながら進んでいくロシャーデ、御守、狐月とエカテリーナだった。
 
 ●迎撃
 一方――迎撃に向かった傭兵達。
 侵入してくる敵に立ちふさがったのは一目散に出てきたモココ。
 侵出してきたのはAH型のようだ――後方にはTN型も見える。
「圧死、轢死、焼死、どれがお好み? どっちにしても嬲り殺すんだけど♪」
 自身の狂気に身を任せているモココは回避中心に刀を振り回してAH型に攻撃を敢行する。
「Fire!」
 そんなモココに対して朱美 穂村はAH型を退避させTN型を指揮して管制射撃を行う。
 
 幾条の光線がモココに殺到する――。
「ぐっ‥‥痛い‥‥けど‥‥最っ高の気分‥‥」
 回避するものの幾つかの被弾は免れない――肌を焼き、穿く収束レーザー。
「あは、あははははは!」
 射線に入らないようにジグザグな機動をとってAH型に向かうモココ。
 対するAH型は接近するモココに銃撃で対応するが――回避されてしまう。
 近接して刀で攻撃するモココ、対するAH型も刀の刃をナイフで受けるが如何せんリーチが短い。
「いい加減ウザいぃぃぃぃぃ! さっさと死んじゃえっっっっっっ!」
 首を切り落とすモココ、切られて噴出する血がモココを紅く染め上げる。
 鮮血に塗れ刀を振り回すその姿は阿修羅の如し。
「こりゃ、血塗れパーティーだな」
 追いついてきた傭兵の一人――リックが現場を見て一言。
「数は多いな。流石に、弱兵ではないか」
 モココとの攻防を見て気を引き締め直すリックであった。
「さっさと排除しませんとね〜」
 刀を握りしめた柊の狙いもAH型だ。
「ここ落ちたらまたやり直しなんだよね。だから、禁止ね‥‥モココッ!」
 クラフトは血塗れになったモココを見つけると血相を変えて向かう。
 隙を狙われ一人のAH型から攻撃を受けようとするモココ――。
 ダンッ!
 次の瞬間、AHの頭部がザクロのように吹き飛ぶ。
「‥‥」
 厚生棟屋上から「クルメタルP−56」で狙撃したカララクの狙撃だ。
 もちろん、敵も殺られてばかりでは無い――狙撃ポイントに対し後方で控えていた軽迫撃砲で狙い攻撃してくる。
「くっ‥‥」
 移動を余儀なくされるカララク。
 状況は――最前線がAH型、そしてその後方に指揮官らしきAH型とTN型、そして、その後方に軽迫撃砲を操作するAH型という編成だ。
 前線のAH型とTN型を突破して攻撃しなければ迫撃砲を止めることは出来ないだろう。
 狐月から無線が入る――。
「そっちはどうかしら?――」
 狐月はおかれた状況を説明する。
「なぁに、すべて倒しても構わんだろう?」
 非戦闘員が不安がっているとの話を聞いたリックは不安を払拭させるように余裕ある色声で答える。
「‥‥頑張るさね」
 無線を切ったリックは気を引き締めて敵を見据える。
 モココが戦っている所へ向かうリックであった。
「モココ、大丈夫?」
 恋人であるモココを気遣うクラフト。
「大丈夫!」
 血濡れた狂気を含んだ笑顔で答えるモココ。
「モココ‥‥」
 喋りながらもともに攻撃をする二人。そして、それに合わせて銃撃するリック。
 モココが、柊が、斬りつけクラフトが殴り、リックが銃撃する。
 迫撃砲の砲撃を受けながらも攻撃するカララク。
 傭兵達はTN型のレーザーを避けるためにAH型を盾にするよに戦う。
「ッ!」
 弱った敵を、時には死体を掴み盾にして攻撃を防ぐモココ。
「面倒だっ!」
 刀に持ち替えて攻撃するリック――血の雨を降らせる。
 前線のAH型が数を減らしていく――。
 一方、カララクも降り注ぐ迫撃弾を避けながらTN型を狙い倒す。
「‥‥仕方ないわね! 攻撃よ!」
 攻撃が出来無い現状――倒されるTN型を見て味方を巻き込んでの攻撃を選択した朱美。
 貯めで撃たれた収束レーザーが傭兵を、味方のAH型を撃つ。
 さすがの傭兵達もこれは想定外の為に
「あ〜あ。味方打っちゃったね♪」
 自身もダメージを受けながらもレーザーによって倒れるAH型を見たモココは嬉しそうに言う。
 
 ●脱出!
 駐屯地北の出口に脱出できた保護対象。
 どうやら異変を感じた友軍がいたようで引き渡して傭兵達は駐屯地へ戻る。
「皆が抑えてくれているようだけど――」
 狐月はKVハンガーが気になっていた――基地機能破壊を目論んでいると言う目星から。
「付き合うぜ」
 エカテリーナは狐月のKVハンガーの探索に協力を申し出る。
 狐月とエカテリーナはKVハンガーへ向かい、ロシャーデと御守は戦っている皆の元へ向かった。
 
 KVハンガー
 AUKVの昨日をフルに使い敵を索敵する狐月――どうやら撃ち漏らした敵がいたようだ。
「いくわよっ」
 自爆されないように一撃で仕留めようとする狐月。
 敵も狐月に対し抵抗するが――狐月の機械拳「クルセイド」が鎧袖一触の強さを見せた。
 AH型を一撃で葬り去るとまた、探索を再開させる。
「問題ないみたいだね」
「こっちもだ」
 探索の結果、敵はさっきの一人だけだった様だ。
 探索を終え、皆の所へ向かう二人。
 
 一方、前線。
「大丈夫?」
 瞬天速を以って速やかに敵に近付き、敵が姿勢を崩し、たたらを踏んで少しでも下がったならすぐさまオセの爪が敵の横腹に食い込むように蹴りを入れるロシャーデ。
「大丈夫さね」
 無事脱出させたロシャーデで参戦しリックに話しかけ、答えるリック。
「戻りました」
 御守もまたロシャーデと共に戻ってきて参戦している。
「大振りはよくないよ、戦いの基本」
 数を減らすAH型――瞬天速で近づき殴るクラフト。
 自爆を警戒し、一撃離脱をする。
「死んじゃえ! 死んじゃえ!」
 モココもまた、瞬天速で近づき急所を狙い倒す。
「使えるモノは何でも使うさね」
 敵を串刺しにして盾にしつつ攻撃をするリックは攻撃の手を緩めない。
「あれが‥‥敵の指揮官」
 傭兵達の積極的な攻勢で前衛であるAH型が減った為に軽迫撃砲を操作していたAH型が前線に参戦した事でフリーになったカララクが指揮をしている朱美を発見する。
「敵の特徴は‥‥」
 無線機で敵の特徴を知らせるカララク――そしてTN型への攻撃を再開させる。
 戦況は有利に進んでいたが、御守・ロシャーデに参戦により更に有利に傾いてきた。
 残す敵もあと僅かになった時、狐月とエカテリーナが合流する。
 特徴を聞いた狐月が朱美の方へ向かう。
「貴方はッ‥‥」
 そう、以前の依頼で【見て】いた朱美は狐月のことを知っている。
「君達に侵略者の自覚があるなら此処で勝負付けましょ。違うなら本当に正しい事を見極める為に引きなさい」
 狐月は朱美に問う。
「もう、何もかも遅い。帰るところなんて無いのよっ!」
「そう。だったら勝負を付けましょ」
 改めて武器を構える朱美、それに対応する狐月。
 他の傭兵たちが僅かとなったTN・AH型の対応をしている中で狐月と朱美による一騎討ちが行われていた。
 機械拳で殴りつける狐月、刀で切りつける朱美。
「セイッ!」
「ハッ!」
 刀と機械拳がぶつかり合い火花を散らす。
 だが、接近戦は長きに戦い続けてきた狐月の方が有利だ。
 その時がくる――。
「がぁ!」
 狐月の機械拳が朱美の腹を貫き臓物を飛び散らせ――絶命させる。
 柊が最後のAH型を倒すと全ての敵の排除に成功し、敵を殲滅することができた。
 TN型に余り撃たせなかった――早期に排除した事により自爆を防ぐことができたお陰で施設等に敷地には甚大な被害を及ぼさなかった。
 大成功といえるだろう。

 ●黄昏時――
「帰ってゆっくりしたいさね‥‥」
 リックはロシャーデと共に帰ってゆっくりすることを考える。
「そうね。ゆっくりしたいわね」
 そんなリックの隣にいるロシャーデはつぶやきに答える。
「良かった‥‥」
 カララクは仲間が無事だったことに安堵する。
 其々の思いを胸に陽がオーストラリアの地平線に落ちていく。
 
 FIN