タイトル:【崩月】居住区拡充計画マスター:後醍醐

シナリオ形態: ショート
難易度: 易しい
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/05/27 00:09

●オープニング本文



 ここは月‥‥基地名は月面基地「崑崙」
 
 最前線中の最前線!
 バグアが攻め、輸送艦の居住区で寝泊まりする劣悪な環境の月面基地‥‥それが崑崙の現状であった。
「おちおち、休んでも居られないな」
 ボヤくのは崑崙に駐在して警備しているUPCの軍人だ。
「これじゃあ、肝心の設備のブロックが届いても設置は厳しいな」
 本来以上の戦力があるが、その殆どが作戦に駆り出されている。
「シャワーだけじゃ、疲れがとれん。やっぱフロが恋しいなぁ‥‥小さくてもいいから設置して欲しいぜ」
 日系のUPC軍人がそうボヤく。
 
 ●将官個室
「困りましたね――」
 本来以上のキャパを超える兵力が来たお陰て基地はテンヤワンヤであった。
「明らかに居住区が足りない‥‥」
 モノは輸送されてきているが――。
「その殆どが作戦に参加しているので、設置の要員として見込めない‥‥」
 そして嘆願書もうずたかく盛られている。
「改善要求の嘆願書――せめてフロを‥‥ですか」
 頭を抱える将官。眼の前にある嘆願書も無視はできない。
「設置は‥‥彼らに頼みますか。」
 
 ●LH
「宇宙で宴会があるよ!‥‥だって! 参加しちゃおう! これからも宇宙行くかもしれなしっ『宇宙用フレーム』買っちゃえ」
 そそくさと「宇宙用フレーム」を前回の依頼で手に入ったお金で買いに行き、スタンバるセシリー・ニミッツ(gz0463)。
 宇宙用の依頼のためと‥‥どう見ても今回、飲みたいために買ったんじゃないかというフシがあるセシリー。
 その金で酒を買えばいいのに‥‥だから貯金が貯まらないのだ。
 
「宇宙かぁ‥‥なれるためにもいいかな?」
 打って変わって、堅実な思考のケビン=ルーデル(gz0471)だった。
 

●参加者一覧

弓亜 石榴(ga0468
19歳・♀・GP
伊万里 冬無(ga8209
18歳・♀・AA
百地・悠季(ga8270
20歳・♀・ER
大鳥居・麗華(gb0839
21歳・♀・BM
ソーニャ(gb5824
13歳・♀・HD
夢守 ルキア(gb9436
15歳・♀・SF
御剣雷蔵(gc7125
12歳・♂・CA
雛山 沙紀(gc8847
14歳・♀・GP

●リプレイ本文

 ●崑崙
 宇宙――身近で有って遠い世界。そして、人類が初めて進出した星であり衛星な月――未だ、人類にとって惑星は遠い。

 出撃前――
 パイロットスーツの傭兵が幾人か居た。
「セシリーやケビンは今回もよろしくですわ。宇宙初めて見たいですし、何かあればフォローはしますわね」
「麗華さん、オーストラリアのジンギスカンパーティーに続き、今度は宇宙で宴会だねっ♪ 今回もよろしくね」
「麗華姉ちゃん、よろしくお願いします」
 セシリー・ニミッツ(gz0463)とケビン=ルーデル(gz0471)が参加していると言う事で参加した大鳥居・麗華(gb0839)が二人に挨拶をする。
「はぁ、はぁ、あぁ、色々とやる気が満ち溢れて来ましたです♪」
 麗華の体のラインがはっきりと浮き出る宇宙服姿に眼にハートマークを浮かべる勢いの伊万里 冬無(ga8209)。
「あら、ならこれからはセシリーと楽しくしたらどうですの? そちらのほうが大きいですし」
「あぁっ!? ち、違うんです麗華さん、ちょ、麗華さぁぁん」
 視線を隣にやり、辛うじて着れていた宇宙服姿のセシリーの胸をガン見していた冬無をジト目で見る麗華。
 そんな麗華に涙目になる冬無だった。

 月面に10機のKVが揃って準備を行なっている。
 弓亜 石榴(ga0468)のピュアホワイト、冬無のピュアホワイトXmasで「カドル」、百地・悠季(ga8270)のピュアホワイトXmasで「アルスター・アサルト・カスタム」、そして、夢守 ルキア(gb9436)の幻龍で「デュスノミア」。
 そして、セシリーとケビンのKV。
 戦闘依頼であれば――これだけあれば勝利に導くのは難無いだろう――況してや今回の依頼であれば十分すぎる、故に相当効果は高いだろう。
 宇宙の電子戦機が揃い踏みし――夢守のデュスノミアから工事区画のデータを他の電子機へリンクを行う。
 得たデータを元に――三機のピュアホワイトによるデータリンクを介した分散処理演算とロータスクィーンによる地図化により最適解を出していき、地図に反映させていく。
 重い処理を行なっているピュアホワイト三機に代わり夢守のデュスノミアが他の電子機でない機体へのデータリンクのハブなった。
「どこでも寝れるけど、お風呂だけはどうしようもないからね」
 別けられている区画ブロックの浴槽ブロックをガン見しているのはソーニャ(gb5824)だ。
「早く終わらせて設置しようね!」
 そんなソーニャに声をかける雛山 沙紀(gc8847)。皆、早く終わらせて設置したいのだ。
「お風呂は心の洗濯です♪其れが宇宙で楽しめるのならば、此処で頑張らずして何時頑張るのか、ですよ」
 その会話を聞いた冬無も皆に通信を入れる。
「戦闘だけではどうしようもないからこういう事で手伝えるのも良いわよね‥‥勿論お風呂設置も目当てだけど」
 百地も状況を鑑みながらも同意見のようだ。
「お風呂の為に気合入れていきますわよ! うまく行ったら今度は大浴場も作って欲しいですわね」
 今回、軍備優先のためユニットバスになったが、「落ち着いて規模が大きくなれば、可能性がある」と言う話を聞いて、気合を入れる麗華。
「ノルマが終わればお風呂だね♪ 頑張ろう♪ 大浴場じゃないのは残念だけど‥‥」
 弓亜も大浴場がないのが気になりつつも設置できるようにノルマをこなそうと皆に声をかける。
「月から見る地球。それもオツなものかも」
 将来的に露天風呂のようなものが出来ればと言う思いを込めて、其の布石にと頑張る御剣雷蔵(gc7125)。
 将来の大浴場設置の為の布石として頑張る傭兵たちがいた。
 こうして、心を一つにした傭兵たちの作業が始まる――。

●設置開始
「運搬は慎重にやってみよう。何せ月面活動は初めてだからね。どう動くかってコツとかを知るのにも良さそうだネ」
 弓亜は初めての月面作業ということもあり、慎重に作業を進めていく。
「どう動くかってコツとかを知るのにも良さそうだネ」
 作業をしつつも月面での戦闘を想定してコツを掴もうと操作をしながら事前データを元に居住ブロック(区画ブロック) を設置した。
「こんなものかな?」
 区画ブロックを設置完了と合図を入れると宇宙服を着た作業員が他の区画ブロックとの連結作業を始める。
「他の人の迷惑にならないルートでブースト移動を試してみようかな」
 機体搭載の「簡易ブースト」を使い、移動を試みる弓亜――簡易故に「ブースト」の様な効果は得られなかったが、旋回時間と月面でのペナルティが無くなった事により若干、時間が短縮された。
「思ったより、効果的だったね」
 そのデータは即座に取り込まれ、計算を各ピュアホワイトで分散処理されて、他の傭兵たちへと推奨される内容としてデータリンクで連携された。
 こうして、幾度か連結作業をしやすい様に向きや置き方に気をつけながら作業を進めていた。
 無論、事前に地図データだけでは判らなかったこういったデータも取り込まれ、処理され連携されていき、効率の向上に繋がっていく。

「さぁさぁ、どんどん気合を入れて行きますです! アハハハハハ〜ッ!」
 半ばベソ状態で、自棄っぱちになりながらも注意しながらブロックの運搬を行う。
「もっと! もっと効率化出来るはずです!」
 コックピット内では半ベソ・自棄っぱちな気持ちを振り払うかのように修正演算を行いながら効率的に設置する方法に集中する冬無。
 どう置けば良いのかちゃんと計算されてる。角度とか。
 また、弓亜から得たデータを基に往復の最適な移動方法や速度等の計算を分担処理しつつ、最新のデータを基にして更新されていった。
「慎重に、慎重にですよ」
 気持が落ち着いたのか慎重に作業にあたる冬無。
 この分だとノルマは超せるだろう――。

「スピードも重要ですが、正確性も重要ですね」
 百地のピュアホワイトは他の二機からの情報の分散処理を受け持ちながら、運搬ルートの策定と計算を担当していた。
「大丈夫かな?」
「簡易ブースト」を使い、砂埃が舞い影響が出ないか心配しながら元の場所へと戻った。
 その時のデータから砂塵の範囲が計算され、その影響範囲に他の機体や作業者が巻き込まれない形での復路のルートが再策定され、配信されていく。
 こうして効率的かつ作業に支障が出ないルートの策定が随時データの提供を受けたり取り込む事で進んでいく、
 他の二機からデータリンクを介して配信される情報のお陰で当初の予想を上回る効率で設置が進んでいく。

「ケビン君、久しぶり!手伝って貰っていい?」
「お久しぶりです、ルキアさん! いいですよ!」
 ケビンに挨拶をし、助力を求めている夢守に快くうれしそうに受けるケビン。
「それはそっちだよ」
 『【OR】アルゴスシステム(AS) 』を使いブロックの把握を行い、他の機体へ通信機を使い連絡していく。
 夢守の幻龍の役割は――ブロックの把握とどこにどう設置するか現場監督的な意味合いの役割をしていた。
「A−05、設置完了。連結作業お願いします」
 作業員にも連絡し、連結作業の開始と終了の報告を受けて事故がないように進めていく。
(オペレータってこんなカンジなのかな?)
「私も頑張らないとね。ケビン君もいい?」
「はい!」
 ケビンと共にブロックを運ぶ夢守――現場への指示も欠かさない。
 百地からのデータを基に砂埃が互いに掛からぬように並走しながら戻り、また、設置していく。

「さぁ! 頑張るですわよ!」
 再び気合を入れた麗華が電子機からの指示を受けて作業に取り組む。
 他の電子機からの支援のお陰もあってノルマ完遂はあと僅かだ。
「セシリーさん、大丈夫ですか?」
 そんな中でどうやらKVに余り慣れてないセシリーを気遣う麗華。
「えっと、ちょっと厳しいかな‥‥」
「でしたら、フォロー致しますわよ?」
「ありがとう。麗華さん」
 二人してブロックを運び、設置していく――この分なら問題無いだろう。

「格納庫にブロックでも積む? カプセルホテルみたいに」
「ソーニャ君、こっちだヨ」
 夢守の指示を受けながらブロックを設置していくソーニャ。どうやら、未だ浴槽ブロックに未練があるようだった。
「ノルマをこなさないと設置できないからね」
「頑張って、ソーニャ君」
 気を取り直し、電子機からの情報と夢守のサポートで設置していくソーニャだった。
「二個目‥‥あと三個」
 カウントダウンしながらフロックを運んでいくソーニャ。その様子はまちどうしそうだった。

「データを参照して‥‥」
 御剣はコックピット内で設置情報や各種情報をモニターをチェックしつつ、HUDには電子機からのデータリンクによる情報が付与されるのを利用していた。
「人型の利点だな」
 ブロックを両手でしっかりと保持し移動は装輪走行で移動をおこなった。
「できるだけ、埃を出さないように‥‥」
 埃を出さなくて済む最適な設置の方法を電子機へ要求し、送られてきた情報を基に設置していく。
 その為、僅かな埃だけで設置することが可能となった。その事により、ブロック洗浄にかかる時間が短縮され、連結作業の効率化につながった。
 指示に従いなら復路につき、またブロックを設置する。
「後、少しだな」
 正確にかつ、素早く作業をこなして行った。

「みんな! がんばろうっ!」
 雛山は先ず、電子戦機のデータから皆の作業が始まる前にブロックを設置箇所が同じ物をより分け整理を麗華、御剣、ソーニャ、セシリー、ケビンと共に行なっていた。
 この準備により、よりスムーズに運ぶことができていた。
「よいしょっと」
 運び間違いがないか確認し、電子戦機の指示を受け設置を開始する雛山。
「確認よしっ!」
 指先? 確認で設置したブロックが間違いがないか自身も、そして、他の傭兵が設置するときも共に確認を行なっていた。
 早くかつ効率的でも設置を間違っていればロスタイムにつながる――雛山の確認行動により電子戦機を補完する働きだった。

 ●念願の風呂を手に入れたぞ‥‥そして、宴会
「これで終わりだねっ!」
 ノルマ最後のブロックが連結されノルマが終わりを告げる。
「浴槽ブロックの設置だな」
 事前に聞かされていた浴槽ブロックの風呂に興味があった御剣は気になっていた。
「それじゃあ、設置するのです♪」
 まさしく、ボーナスユニットである別に別けられていた浴槽ユニットを設計図通り設置していく。
 先ほどまでの設置作業で最適化されていたためすぐに設置が完了した。
 こうして、依頼を完遂することが出来た。

 宴会――
「よかったらケビンさんも一緒に探検してみない〜?」
「あ、いいですよ!」
 弓亜は宴会が始まるまでの間を利用して崑崙基地の探検にケビンを誘い探検に行った。
 宴会の準備できていた時――丁度、ケビンと弓亜も戻ってきた。
「うぁーん! 麗華さん、もう許して下さいですぅぅっ」
 ものすごい勢いで出来上がっている冬無が麗華の胸元に飛び込み抱きついてくる。
「まったく、ちょっとした冗談ですわよ?」
 苦笑しつつも、胸元に埋まっている冬無の頭を撫でる麗華。
「ケビン発見ですわ♪ 今日も可愛いですわね♪ ふふ、私と伊万里とどっちがいいですかしら?」
「わわっ!」
 ケビンを見つけた麗華は落ち着いた冬無を外すとし前から顔を胸に埋めるよう抱きく。
 ケビンにかまける麗華を良しとせず、ケビンを間に挟む形でしがみつきかかる冬無。
「セシリーも横からどうぞですわ♪」
「えっと‥‥」
 酔ってはいるものの本格的に酔ってないので遠慮してしまうセシリーだった。
「あはぁっ♪ さぁさぁ、如何か表決をお願いしますですよ!」
 結果、麗華と冬無の胸の間に挟まれるケビンはほんのりと匂う汗のニオイと胸の感触に赤面し硬直していた。
「もー、皆、飲み過ぎ!」
 手品でグミベアを出したり、トランプが薔薇になったり、ワインを水にしたりと披露しているのは夢守だ。
 他の傭兵や、共に作業した作業員からの受けが良かった。
 
「御剣君、LHの飲酒制限は厳しいよ」
「少しぐらい、いいじゃないか」
 未成年である御剣の飲酒をしようと止めさせる夢守。
「まぁまぁ、ね?」
 一色触発な雰囲気にセシリーがやって来てアルコールゼロのそれっぽいノンアルコール飲料を御剣に渡す。
「‥‥マズイ‥‥やっぱり飲みたかった」
 そんな気持ちを食べる方に向ける御剣であった。
 
「どうぞ♪」
「ありがとうです」
 弓亜はお酒が飲める人にお酒をつい出まわる――冬無や麗華がベロンベロンなのもこの為であった。
 弓亜のお酒を受けるセシリー。飲み慣れているのか中々酔いつぶれない。残念。
「おつまみ出来ましたよ」
 百地は酒は口にせず裏方に徹し、ツマミを作ったりして振る舞い時には場を盛り上げていた。
 酒で混乱した宴会を百地はうまい具合に収めるだろう。
「ケビン君、大浴場でなくて残念だったね。セシリーさんの胸見れたのにね。え、一緒に入らないの?」
 解放されたケビンと会話しているのはソーニャ。
「ボクのでも見る?同じ人間、そう変らない‥‥」
 「いや同じ生物とは思えない程違うか」とつぶやくき、ソーニャの話に赤面するケビン。
「神秘だね。ボクはもう眠いから学術的探求には参加できないけど。後は、ケビン君、しっかり調査してきてね」
「‥‥?」
「はい、バスルームの空調ダクトの見取り図」
 ソーニャの言葉に困惑しながらも見取り図を受け取るケビン。

「頂きまーす!」
冷えた牛乳をジョッキになみなみと注ぎ、ぐびぐび飲みながら、肉やカツのたっぷり入ったカレーを大量におかわりしていくのは雛山だ。
「いい食いっぷりだねぇ」
 作業員の一人が雛山の食いっぷりを褒める。
「ありがとうございますっ!」
 賑やかな宴会が続く――
 夢守はケビンを見つけ引っ張り、ソーニャも誘うが居なかった。夢守とケビンの二人で基地の外に出て、宇宙に慣れる練習を行った。
「宇宙に慣れるには、感覚を掴むコト。踊ったり、走ったり。私、結構宇宙で戦ってるケド」
 内緒っぽく、始めは不安だったって、笑う
「でも、愛機を信じた。疑わなきゃ罠にかかる、でも、信じるべきモノを信じなきゃ戦えない」
 二人の練習は続く。
 一方、ソーニャは宴会を途中で抜け、先にお風呂に入ってKVのコックピットの中でぬいぐるみに埋もれて下着姿で丸くなって寝ていた。

 宴会もたけなわとなり、風呂に入る傭兵達と作業員達。
 男女別――10個ある浴槽ユニットは1.5帖タイプのユニットバスで有るため二人か一人で入ることになる。
「日本的といえば日本的‥‥」
 御剣はユニットバスの風呂を見て一般家庭の風呂な為、落胆はしなかったものの感想を漏らす――檜風呂だと良かったなと思いながら。
 ある者は一人でゆっくり浸かり、二人でいちゃつく者も居たり、皆にマッサージをする雛山もいた。
 疲れを癒した傭兵達は次の依頼へと向かう。


 FIN