タイトル:【MO】スケープゴートマスター:後醍醐

シナリオ形態: ショート
難易度: やや難
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/05/12 04:28

●オープニング本文


 ●
 エカテリーナ・ジェコフ(gz0490)は悲しみを込めて歌う「Полюшко поле(ポーリュシカ ポーレ)」を。
 彼女には涙がない、否、とうの既に涙は枯れ果てていた。
「先に逝っちまったか‥‥」
 エカテリーナが手にしている報告書には彼女のメンバーが依頼中のKIA(戦死)と書かれていた。
 目立った外傷はなく、毒殺であることが示唆される検死結果が付帯資料としてついていた。
「戦地で死ねなかったか‥‥」
 そして、一通の手紙を読む。
「『危険な依頼だからお前を外した‥‥愛している』‥‥か」
 唯一、エカテリーナを愛称で呼べた人からの手紙だった。
「糞が‥‥」
 そう言いながらも、女として生きることを諦めた顔の傷を撫でる。何時からだろうか――『愛している』という言葉を聞かなったのは。
 幼い頃から戦場に立ち身を投じてきたエカテリーナ。殺伐とした戦場で気を紛らわせるために優勢時のみに行う悪癖。
 戦場に生きていたエカテリーナの歌と唯一の気晴らしだった。
 くしゃり と報告書を握ると立ち上がる。
「そう言えば、こいつを頼まれてたんだっけな‥‥」

 ●
 エリミー抑留先
「いるか?」
 エリミーの部屋をノックして入ってくるのはエカテリーナ。
 恐怖に顔をゆがめ、警戒するエリミー。
「殺しゃしねぇよ。もう、『敵』じゃねしな」
 未だに警戒が取れないエリミー。
「ほれ。ガキ共からの手紙だ」
 「敵」でなくなったエリミーに孤児院の子供から手紙の入った茶色い油紙の袋を見せる。
「ガキがよ。恐る恐る、アタイに紙切れを渡すのさ。何かと思えば、あんたへの手紙だ。それをアタイが受け取るとガキどもが次々とアタイに渡すんだ。アタイに対して期待の目をしてな」
「めんどくせぇから捨てようと思った。だがな、ガキどもの目が忘れられねぇ。だから持ってきた。」
 そう言いながら、エカテリーナは頭をかきながら茶色い油紙の袋に入った手紙をエリミーに渡す。
「‥‥ありがとう」
 茶封筒を見て受け取り、エカテリーナの顔を見て感謝の言葉を述べるエリミーに警戒の色は少ししかなかった。
「なんだ、あの時の傭兵からも手紙を貰ったら届けてやる」
「‥‥いいの?」
「乗りかかった船だ、いいぜ」
 ガキ共のついでだしな とエカテリーナは言いながら。
「まぁ――裏切るような事があれば酷いがな」
 凶相を浮かべるエカテリーナ。

 ●
「さて、諸君。依頼だ」
 傭兵達の前にいるのは司令官。
「この依頼は秘匿で行われ、機密度の高い依頼だ。故に身分を個人を特定するものの携帯は許されない」
「指定されたポイントへ行き、車両に乗り込みとある所へ行き、この指令書の指示に従ってほしい」
 真剣な眼差しの傭兵達。
「秘匿ということは‥‥事前に知れる事は少ないということでしょうか」
 挙手をして一人の傭兵が質問をする。
「そうだ、知らせるのは行く場所のポイントとその場所で指示を受けるということぐらいだ」
「ああ、そうだ。この指令書は水溶性で食用可能だから溶かすなり食うなりして処分すること」

●参加者一覧

風代 律子(ga7966
24歳・♀・PN
狐月 銀子(gb2552
20歳・♀・HD
キリル・シューキン(gb2765
20歳・♂・JG
御守 剣清(gb6210
27歳・♂・PN
ナスル・アフマド(gc5101
34歳・♂・AA
モココ・J・アルビス(gc7076
18歳・♀・PN
クラフト・J・アルビス(gc7360
19歳・♂・PN
エリーゼ・アレクシア(gc8446
14歳・♀・PN

●リプレイ本文


 ●様々な姿の傭兵たち〜
 朝――オーストラリア東部から西部寄り。
 前回の依頼で手に入れた情報により、移送計画の一部が判明し、紛れ込む形となった。
 さて――その様子は――。
 普段と装いが違うナスル・アフマド(gc5101)。
 髭を剃り、タトゥーはメイクで隠し、髪はオールバックにしてスーツ着用している様子は多少、眼光が鋭いサラリーマンのように見えた。
移民国家であったために違和感なく溶けこむ事が出来、辺りを確認するとる幌付き大型トラックに乗り込む。
 ショルダーバッグを肩にかけ車列になっている同じ車両に乗り込むのは周りと違和感のない服装をしているエリーゼ・アレクシア(gc8446)。
 苦無を背中に包帯で体に巻きつけ、フライトジャケットで隠して続いて乗り込むのは御守 剣清(gb6210)。
 よれよれのコートに持ち物を隠し、見た目は浮浪者のような格好で現われたキリル・シューキン(gb2765)は、結果として似た様なグループの車両に入り、溶け込んでいた。
 狐月 銀子(gb2552)はナスルやエリーゼ、御守達と同じ車両に乗りこむ事となった。
 続いて乗りこむのは、何かに怯えてる様な少し病的な態度を装うモココ(gc7076)。
 キャスケットにサングラス、そしてコート‥‥その下に「潜入スーツ」な出で立ちで風代 律子(ga7966)がモココに続く。
「よく分かんないけど、俺の故郷をかき回すやつは許さない、かなー」
 故郷の為、思い入れは強いクラフト・J・アルビス(gc7360)が呟き、乗りこむ。
 ジーパンにレディースのタンクトップな姿のエカテリーナ・ジェコフ(gz0490)が最後に乗り込むと車両が目的地へ向けて出発した。

 ●どこへ向かうのか〜
 移送途中〜
 オーストラリアの大地をトラックに揺られていく傭兵と住民達。
「あ、あの‥‥この車ってどこに向かってるんですか‥‥?」
 モココが同乗している住人に話かける。
「ん、嬢ちゃんか‥‥説明を聞いてなかったか?」
 説明があったはずだぞと、不審がる男だが――。
「えっと、知らぬまま知り合いに連れてこられたのですが‥‥はぐれてしまって‥‥」
 何も知らされてないに事をアピールして不審感を拭おうとするモココ。
「ったく最近の若いもんは‥‥コワニャマからクックタウンに向かってるんだよ」
 男は移送中、コワニャマでの生活を懐かしみモココに語るのであった。
 それは――傭兵達にとって潜入する為に他の住民になりきるために必要な情報でもあった。
 
 ●初めて見るシェルター〜
 正午――クックタウンシェルター
 途中、休むことなく進んだトラックが突如、止まる。それは――終着を知らせるものであった。
 何台ものトラックから降りてくる住人たちの目の前に有るのは都市ごと建物に囲われた正しく『シェルター』といった言葉があう施設だった。
 続々と入っていく住人たち――傭兵達は互いに見つけると集まり、そして渡された指令書をナスルが見つからぬように開く。
「情報の少ねぇ依頼だ‥‥面倒臭い」
 指令書の内容が皆に行き渡るとナスルは何くわぬ顔で指令書を飲み込んで処分した。
「それじゃあ、班分けをしましょうか」
 狐月がどうシェルター内で動くか、皆と相談して班分けを行うことになった。
 聞き込み班はシェルター内で聞き込みを行い、情報収集を行い、見取り図作成班はシェルター内の地図を作成し、潜入版はその両方の情報から潜入できそうな施設があれば潜入して情報を収集する事になった。
 住人達や傭兵達と共にゲートへくぐりシェルター入っていく。
 傭兵たちの眼前に写ったのは――一件、平和そうに見えた世界だった。上を見上げて天井部分を見ると、採光のためかガラスの様な物の為に建物内で有るにも関わらず外のよう明るかった。
 ゲート付近に時計の有る広場があったので其処を皆の集合場所とした。

 ●聞き込み開始〜
 モココと狐月は別れて聞込みを行う事にした。

 狐月は広場で屯している若者たちの側へ向かい様子を観察していた。
 広場の若者たちは――不安の様子はなく仲間内で歓談しているようだった。
「これ、ひでーな」
 一人の若者が何やら紙を取り出して仲間に回し読みさせていた。
「こんにちわ。 何見てるの?」
 狐月は極自然を装い若者たちに接触を試みた。
「‥‥誰だ」
 だが、見慣れぬ顔の狐月を警戒する若者の男。
「今回、こっちに来たのよ」
 ゲートを差し、入場の際に押されたスタンプを見せ説明する狐月。
「あぁ、これてよかったな‥‥来れなかったらこうなってたかもな」
 男が差し出した紙――シェルターで発行される簡素な新聞なのだろう――其処には人類による住人の末路とキャプションが付いた写真――。
 頭は麻袋で被せられ、首から「私は親バグア派です」と書かれた看板を掲げられ幾人の人間が街灯に吊られている写真だった。
 その写真の記事によると反バグアの住人と軍の一部によって行われたものだと書かれていた。
「‥‥」
「俺は思う、バグアより奴らのほうが酷いんじゃないかって」
 更に読み進めると――。子供達を世話していた建物が何者かの襲撃によって連れ去られたと――以前の依頼が悪意をもって歪曲して書かれていた。
「脚色は――有るだろうが――此処をあぶれた奴が襲いに来ることなんてザラなんだぜ」
 流石の規模の大きい此処のシェルターでもすべての人間は収容出来ないらしい――あぶれた人間はシェルターの周りに家を建てて隙を狙い住人を狙い食料を奪うことが在るとの事だった。
「結構、守りは硬そうだけど?」
 重厚なゲートを見て狐月は男に問う。
「もっぱら、この「シェルター」内に手引きする奴が居るんじゃないかという噂で皆、気が立ってるんだよ」
 どうやら――シェルターの住人も一枚岩ではないらしい。
 狐月は広場を中心に聞込みを行なっていく。

 別れたモココ――。
 くぐるゲートの様子を観察する。重厚な扉、そして扉の両方には立哨して警備をしている強化人間が二人づつ。
 モココは人々が向かう先へ流されるまま向かって行くと――其処では、着の身着のままやってきた住人の為に日用品等と食料の配布を行なっていた。
「君? 一人?」
 モココの様子を見た配布係の年配男性がモココに話しかける。
「‥‥あ、あの‥‥」
 モココは車中でも説明した内容を話す。
「君の歳なら――そうだね、空いていれば個室を用意できると思うよ。一人がダメなら大人数部屋もあるよ」
 その状況に同情したのだろう――そう言って『居住申込書』とか書いた紙とパンフレットと日用品の入ったカバンを手渡す男性。
「‥‥あ、ありがとうございます」
 受け取ると、そこに書いてある地図に目を通し入居施設へ向かう。どうやら、施設に向かうのはモココ一人だけでは無いようだ。
 その途中――。
「‥‥あの」
 シェルター内を警備している強化人間を発見し、迷子を装い接触を図るモココ。
「ん?」
 自身の状況を説明し、シェルター内部の事を――色々と聞く。
「ふむ‥‥」
 その内容は此処での生活に必要なこと――食料の配給や共同作業についての説明を色々と受ける。
 共同作業――と言っても、強制労働的なものではなく自治に関することのようだ。
 モココは更に聞込みを行なっていく。

 ●見取り図作成班
「この前はオレたちに付き合ってくれて、ありがとうございました」
 班ごとに別れたあと御守がエカテリーナに挨拶をする。
「ん、ああ。御守か、良いって事よ、今回も宜しくな。おお、そうだ。エリミーに手紙とかあったら依頼後にくれたら渡すぜ」
 そんな御守に挨拶を返し、強化人間であるエリミーへの手紙がないか聞くエカテリーナ。
「手紙は依頼後に‥‥。オレはただ諦めが悪いだけ‥‥後味悪ぃ思いしたくないって、自分勝手なだけですよ。なんで、オレの側でそう簡単に殺したり死んだりはナシですよ?」
「ったりめぇだろ、そう安易と死なねーよ。今回は――敵地潜入作戦だ。派手なことが出来ねぇのが残念だがな」
 御守の言葉に気分良く返しながらも、どこか残念そうなエカテリーナだった。
「お、そこの二人も宜しくな」
 エカテリーナの挨拶に軽く会釈する風代とエリーゼだった。
「じゃあ、回りますか」
 御守の言葉をきっかけにシェルター内を回っていく事となった。
 建物の中に建物が有る――そんな、シェルター内を周り、見取り図を作成していく。
「大通りっぽいですね」
 広い道に集合住宅らしき建物が立ち並び、人々が行き交うメインストリートとも呼べそうな場所。
「配給制のせいか、お店は見当たらないですね。どちらかと言うと住居がメインみたいですね」
 ざっと大通りの建物をみて感想を言うエリーゼ。
「どっか配給所があるんじゃねーか。ま、配給の食券で喰うような飯屋ぐらいはアリそうだけどな」
 言いつつ、建物の高さを目視し計り、メモを取って渡し、屋上をチラ見して監視がいないか警戒するエカテリーナ。
 エリーゼはサラサラと見取り図を書き込み、建物の高さも記入してく。
 メインストリートの先へ進んでいくと――。
 人の列が並んでいる――その中にはモココも見て取れた。そして、その先には――。
 白髪のお年寄りと言える女性が強化人間を伴い配給をしていた。
「婆ぁ? なんかいけ好かねぇなぁ。なんかこう――」
 人がよさそうな、如何にも善人臭そうな。そんなのが気に入らない といったエカテリーナであった。
「強化人間を伴っている――このシェルターの責任者でしょうか」
 風代と御守とエリーゼの三人はあの老女の素性が気になった。
「うかつに聞くと、知らない事がバレそうで厄介ね」
 風代は老女が共通の常識であった場合、よそ者と看過されるリスクを指摘した。
 その姿を、顔をエリーゼとエカテリーナはスケッチしておくことにした。
 更にシェルター奥に進んでいくと――。
 厳重に警備された工場っぽい――此処だけは天井まで建物が一体になっており、壁のようにも感じる区画にたどり着いた。
「如何にも、な感じですね‥‥これはすぐに連絡したほうがいいですね」
「そうね‥‥どう、侵入しようかしら」
 他のメンバーに連絡を取る風代、そして退路・脱出となるルートの調査、警備状態の調査へと移行することへとなった。
 きた道を戻りながら警備状態のチェック、を行なっていき、ゲートでの立哨交代等をつぶさに調査することとなった。

 ●潜入班
 別行動しているキリル以外――クラフトとナスルはカメラに映らないルートを読みすぐにやってきた。
「‥‥こいつは厄介だな」
 壁のようにそびえ立つ施設を見上げるナスル。
「でもどこかに――あら?」
 通風口らしきものを見つけた風代。
「時間に気をつけて潜入だな」
「潜入なんだー」
 ちらっと時計を見るナスル――指定された時間までは往復を考えるとあまり時間は――無い。
 三人は通風口をもの音や匂いに気をつけながら進んでいく。
「ようこそ、博士とスタッフの皆さん‥‥」
 下を覗くと白衣を来た男達が少女に集まっていた。
「KVの撃墜を視野に入れた高出力型の強化人間の開発‥‥ほほぅ、彼女がファーストロットですか‥‥継続戦闘と宇‥‥応の次‥‥代の‥‥開発を‥‥」
 ファンの音がうるさく、聞き取りづらかったが二人の眼前に写る強化人間は『千葉』の報告書に書かれていたのと同じであった」
「‥‥どうやら、強化人間の生産・開発プラントと云ったところかしら」
「みたいだな‥‥」
「だねー」
 通風口の下に見える廊下に降り潜入をする三人。
「さて、明るい‥‥かな?」
 エネルギーの節約のためか、微かに暗くなっている廊下をスキル使用しがら先行する二人、移動先のセンサーやカメラをチェックするナスルの三人にで調査を行う。
「ごめんね、隠れんぼはこれが楽なんだー」
 回避できない警備兵を気絶させ、服を奪うクラフトと三人達。
 服を奪ったことで自由度が増し――先ほどの会話の裏付け――強化人間関連の施設であったことが判明し、幾つかの資料を手書きで写す事に成功した。
 
 一方、キリルは――
 スラム街にいた。管理された世界、否、だからこそ排除せず存在するスラム街。
「すまないな、こいつは大切な人からの贈り物だよ‥‥ああ、そいつはとてもかわいいやつでなあ。これの他にも懐中時計なんて甲斐甲斐しく贈ってくれて‥‥」
 目敏い浮浪者に装備を見つけられ説明するキリル。
「随分と長い旅で疲れててな‥‥やれやれ」
「こういった生活はベテランだが、この場所は新入りなんだ。色々教えてくれよ」
 集まってきた浮浪者達に質問をする。
「良いが‥‥っへっへっへ」
「ここじゃあ滅多に手に入らない上ものさ。これで満足かい?」
 酒とタバコを取り出し渡し、シェルターでのルール、裏のルールや内情を聞くキリル。
 浮浪者も手に入った酒で気分がよく、色々な事を喋りだす。
 曰く、食糧配給を行なっている白髪の老女は実はバグアの司令官だった、殺し合わせる競技があり、住民の受けがいい事等。
「まるでパンとサーカスだな」
「殺しがしたい奴は其処で殺し合い、それを見るのが娯楽だからな。ま、一般には公開されてないがな。そこで配給券を掛ければこうやって仕事せず暮らせれるわけよ。UPCとかには来てほしくないな‥‥この生活が終わっちまうからな、ソレは皆、思うと所だと思うぞ」
 得意げに語る浮浪者の男――どうやら、賭けにも勝って気分が良いようなのでまだまだ聞けそうだ。
 キリルの調査は未だ続く。

 ●Time UP
 ゲート開放時の前の時間――時計のある広場に傭兵たちが集まる。
「これで全員か」
 あたりを見渡すナスル。狐月も欠員がないか確認を怠らない。
「全員みたいね――ゲートは――交代の隙を狙って脱出するわ」
 皆の情報を統合した結果、ゲート警備やシェルター内の警備の綻びを見つけることが出来、見つからずに出れそうだ。
「エカテリーナさん。倒そうだとは‥‥」
「んなもん、倒さねーよ。潜入作戦なのにさ。派手にできるときに派手にするだけさ」
 御守がエカテリーナに問うが、流石に今回は空気を読んで暴れないようだ。
「じゃ、いくわよ」
「いくよー」
「汚さずに済みそうだな」
 風代の声に続き、クラフト、キリルと続き、狐月、ナスル、モココ、エリーゼ、御守、エカテリーナと布で顔を隠し続いた。
 交代の際の視界の隙――立哨の兵が一人になった所を見図り、搬入トラックを盾にして脱出した。
 後は、指定された脱出ポイントまで全力で進むだけだ。
「エリミーちゃんは‥‥」
「ああ、元気だぜ。何なら手紙を書くか?」
「えぇ。また一緒に暮らさせてあげたいものね」
「ま、一緒にだと救命の嘆願でもしなけりゃ厳しそうだがな」
 脱出ポイントで待つ間、エカテリーナに話しかけた狐月。

 徐々に明かされる「シェルター」の謎。悪意の有る善意も存在するのだ。
 To be continued