タイトル:月明かり、夢照らすマスター:Celaeno

シナリオ形態: ショート
難易度: やや難
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/11/11 21:12

●オープニング本文


 未知生物対策組織‥‥通称ULTと呼ばれるその組織は、対バグア戦力である能力者たちをバックアップする事を目的として設立された。
様々な企業の技術的・資金的提供の上で活動しているULTでは、同時に各々の思惑の元で様々な企業独自の活動も行われている。その中には企業から能力者向けへの個人的な依頼も含まれており、某軍事企業が発行する新開発兵器の実戦テストなどが好例と言えるだろう。
 故に――――これから紡がれる物語も、記録上はそのようなものとして残されるのであろうか?

「お母さん‥‥目を覚ましてよぉ‥‥」
 ここは、とある企業が運営する大病院の一室。
今そこに、眠るようにベッドに横たわる妙齢の女性と、その女性の身体を抱き締めながら嗚咽する女性に良く似た十代後半くらいの少女の姿があった。
病室には二人の他に白衣を着た青年医師が居たが、彼は己の無力さに眉を寄せるばかりだった。

 妙齢の女性‥‥少女の母親‥‥は、約一週間前にこの病院へと搬送されて来た。
彼女ら母子はある日大蛇型のキメラに襲われ、少女を庇った母親が噛まれた。その後、すぐにこの病院へ運ばれ治療を受けた彼女は、かろうじて一命を取り留めたものの、恐らくキメラの毒によるものであろう断続的な昏睡状態に見舞われたのである。
入院当初は数時間起きては数時間寝て‥‥の繰り返しだったが、徐々に昏睡状態が長く続くようになり、今や一日の大半を昏睡状態で過ごすまでに症状は悪化し、間もなく眠りから目を覚まさなくなると予想された。
それに伴い、それまで必死に看病を続けていた少女も、ついにその感情を押さえきれなくなってしまったのだ。
「せんせェ‥‥お母さん、どうなっちゃうんですか‥‥?」
「‥‥大丈夫、きっと助けるから」
涙混じりの声で助けを求める少女を、精一杯の優しい声で慰める青年。
しかし、状況には希望の光が見えず、自らの言葉が気休めにしかならない事に青年は苦悩していた。

 その後オフィスへと戻った青年は、改めて彼女の検査結果を徹底的に調べ上げた。
症状の原因となったキメラを調べれば、あるいは治療の手立てが見つかった可能性もあるが、あいにく件のキメラは既に能力者によって退治されており、残された情報は数少ない。
しかし、その中で何か打てる手があるに違いないと、信じて‥‥。

 ――――果たして、その執念とも呼べる努力は報われた。
 キメラが彼女に注入した毒と非常に似た性質を持った植物の情報を、とある薬草学の筋から入手する事が出来たのである。

 その植物の名は『月花夢想』。
月の如き花の下、ただ夢のみ想う‥‥という意味の優美な名前を持つ植物だが毒草に分類され、その実を食べた者は二度と醒めない眠りにつくと言われた。古くは権力闘争などにも使われた事があるが、現在ではその用途もあって栽培する者もおらず、とある秘境の洞窟にのみ自生しているという話だ。

 常識的に考えて、植物の実在や効能、そして治療への有効性など‥‥あまりにも確実性に欠ける話である。
しかし、青年はその一縷の望みに掛けてみたかった。
「‥‥やってみなければ分からない‥‥!」
自らを鼓舞するように呟いた青年は、ULTへ一つの依頼を提示した‥‥少女の願いと、自らの祈りを込めて――――。

●参加者一覧

白鐘剣一郎(ga0184
24歳・♂・AA
木場・純平(ga3277
36歳・♂・PN
レイナ=クローバー(ga4977
21歳・♀・SN
相澤 真夜(gb8203
24歳・♀・JG
ウェイケル・クスペリア(gb9006
12歳・♀・FT
サクリファイス(gc0015
28歳・♂・HG
ティナ・アブソリュート(gc4189
20歳・♀・PN
安原 小鳥(gc4826
21歳・♀・ER

●リプレイ本文

●『月下夢想』
 現地への出発前、一行は病院を訪れた。医師から『月下夢想』の情報を得るためと、少女に面会するためである。
 医師の元を訪れたのは、白鐘剣一郎(ga0184)、木場純平(ga3277)、相澤真夜(gb8203)、ウェイケル・クスペリア(gb9006)、サクリファイス(gc0015)、安原小鳥(gc4826)の六人。
「悪魔の証明じゃねーんだぜ? 其処に有る事が分かってるなら、何かしらあるだろ」
 開口一番、挑戦的な口調で疑問を投げるウェイケルにややたじろきながらも、医師は恐らく事前に準備していたのであろう、数枚のレポートを差し出した。
 渡されたレポートには写真こそなかったが、代わりに精緻なイラストの他、外見や香りなどの特徴が記されていた。
「‥‥それにしても『月花夢想』というのか、良く探し出したものだ」
 レポートを眺め、白鐘が半ば感心したように呟く。
「必要な数などあれば、教えて頂けますか?」
 丁寧な口調で質問するサクリファイスに、医師は「数株、できれば根から花弁まで丸ごと」と答えた。また、くれぐれも採取時には注意‥‥特に傷口への接触や誤飲は避けるように、と付け加えた。
 その他、探索時に必要になるであろうロープや保存用のケースなど、細かい携行品に関する打ち合わせなどを行い、その場は解散となった。
 医師との別れ際、小鳥は、
「必ず、見つけてきます‥‥それまでどうか、頑張って下さい‥‥」
 と、激励とも誓いとも取れる言葉を彼に送っていた。

●約束
 一方その頃、レイナ=クローバー(ga4977)とティナ・アブソリュート(gc4189)は、今回の依頼の元となった少女の元を訪れていた。
 看護士に連れられて来た少女を前に、彼女の目線に合わせるように少し屈んだティナは、愛用の髪飾りを少女に手渡すと、優しい声で微笑みかけた。
「約束」
 少女は戸惑った様子で彼女と彼女に渡された髪飾りを見比べるだけだったが、ティナは構わず続ける。
「この髪飾りに懸けて、必ずあなたのお母さん助けるから‥‥。だから信じて、私達を。そして想ってあげて、お母さんの事を」
 真摯な瞳で語るティナの想いが伝わったのか、少女は戸惑いながらも微かに頷いた。
 ‥‥続けて、ティナと同じように少し屈んだレイナが声を掛ける。
「泣いてたら、お母さんが心配するよ」
 出来るだけ、優しく、優しく。
「先生のお花で目を覚ますはずだから、笑ってなくちゃ」
「‥‥うん」
 その言葉に、少女が消え入るようなか細い声で応え、続けて、
「お願い‥‥お母さんを‥‥助けて‥‥」
 ぺこり‥‥と、二人に向かってお辞儀をした。
 その可愛らしい礼に、二人は力強く頷くと、病院を後にした。

●険しい道
 鬱蒼と生い茂る森。得体の知れない鳥獣の鳴き声。踏み入るものを拒むかのような悪路。
 目的の洞窟がある土地は、正に秘境と呼ぶに相応しい場所だった。
 地図とコンパスを見て道順を確かめ、木場が先行して危険の有無を確認した後、皆で移動する‥‥地道な作業にも似た行軍が続く。
 しかし、その甲斐あって、危険な生物との接触遭遇や視界が利かない中での急傾斜など、様々な障害を未然に回避する事ができた。
 それでも想像以上の悪路を前に、先日の負傷が癒えていない真夜に友人である小鳥が手を貸す場面もあった。
「ごめんね、小鳥さん‥‥肩借りちゃう‥‥」
「真夜様、ご無理はなさらず。皆で無事に戻ること‥‥それも、大事なことです」
「ふあ‥‥ありがとう‥‥」
 道中で細かい休憩を挟みながら進むことおよそ半日‥‥太陽が西の空に沈み始めた頃、一行はようやく目的の洞窟に辿り着いた。
 切り立った岩山に口を開ける洞窟からは、まるで何かが唸るような不気味な風の音が響いていた。

●キャンプ
 洞窟の探索にどれだけ時間を要するか分からない事と、ここまでの行軍での疲労を考慮し、一行は洞窟の手前で野営する事にした。
 傭兵である以上、こうした野営も当然お手の物。木場が洞窟の様子を先行偵察している最中、レイナと真夜が皆で持ち寄ったレーションを使って夕飯の支度をする。
 その他の面々も、周囲の見回りをしたり寝床を確保したりなど、慣れた様子で各々の作業を行う。ウェイケルなどは、快眠ハンモックまで持ち出して、すっかりくつろぎモードである。
「ご飯、できたよ〜」
 木場が戻った頃に、丁度夕飯も出来上がり、食事の時間となった。
 その後は見張り番を決めて、交替で休む事となった。
 尚、見張りは、日中人一倍神経を使った木場と、体調が万全ではない真夜を除いた、二人組の三交替で行う事に決めた。

「さて‥‥警戒、頑張りますか」
「そうですね」
 深夜過ぎ、早番だった白鐘とウェイケルと交替したのは、レイナとサクリファイス。
 二人は焚き火近くに座り込むと、薪を足して長い待機の姿勢に入った。
 それから数時間が過ぎた頃だろうか‥‥二人は何かの気配を感じ、やや弛んでいた気を引き締めた。
「‥‥何?」
 レイナの呟きに、サクリファイスは「はて?」と目線で応えると、改めて周囲の様子を探った。すると、森の中を移動する何者かの影が、彼の視界を横切った。
「獣‥‥それも複数いますね。これは、恐らく‥‥」
 サクリファイスが呟くと同時、森の中から数匹の獣が飛び出した。黒っぽい毛並みの大型の犬のような姿‥‥狼である。
 狼たちは低く唸りながら、周囲を囲むように移動を始めた。
 それを見たレイナが、S−01の照準を狼たちに合わせる。が、サクリファイスは彼女を片手で制すると、
「ここは俺に任せて」
 と囁き、愛用のアサルトライフルを構え、狼たちの手前の地面に向けてフルオートで発砲‥‥威嚇射撃を行った。
「‥‥キメラでないのであれば、殺す必要もない」
 すると、効果は覿面。狼たちは文字通り一目散に逃げるように姿を消した。
 と同時に、突然の銃声を聞きつけたメンバーが次々と起き出して、何事かと口々に問いかけて来た。
 そんな彼らに優雅に一礼すると、サクリファイスは何食わぬ顔でこう言った。
「お騒がせして申し訳ありませんでした。既に事は済みましたので、改めてお休み下さい」

●探索開始!
 翌日早朝から、一行は洞窟の探索を開始した。
 各々準備してきたランタンやライトを手に、暗く湿った洞窟内に足を踏み入れる。
「明かりがあるとはいえ、この暗い洞窟で探すのは大変そうだね‥‥」
 レイナが率直な感想を漏らす。
 実際、洞窟内は、大人が数名横に並んで歩けるだけの横幅と十分な高さがあるため、手元の明かりだけでは十分に照らせない箇所もあった。
 通常の植物であれば、成長には日光と水が必須と言えるが、医師に貰ったレポートによると『月花夢想』に関してはそうでもないらしい。まぁ、このような洞窟に自生しているという話からも、生態自体が特殊なのだろう。
 外見的な特徴については「高さは1mほど、百合に似た白い花を咲かせる」とあり、一同はこれを頼りに可能な限り洞窟内を探索しながら歩く事にした。
 ここでも今までと同様に、木場が先行偵察して状況を確認していたため、滑りやすい足場や急な斜面など、危険な場所を通る際にも大した苦労もなく進む事ができた。
 また、途中突然の落石に見舞われたが、これもウェイケルのソニックブームや小鳥のエアスマッシュによって落石を破壊し、事なきを得ていた。
 そして一時間ほど進んだ頃だろうか‥‥例によって先行偵察をしていた木場は、奥から響いて来る微かな音を聞きつけた。
 木場は素早く「待て」「静かに」と後続のメンバーに合図を出し、注意深く耳を澄ます。
「‥‥水音‥‥か?」
 それも、流れるような連続した音ではなく、滴り落ちるような断続的な音。
 ともあれ、これが差し迫った危険ではないと判断した木場は、皆の元に戻り、この事を伝えた。

●地底湖にて
「‥‥これがさっきの音の正体か」
 目の前に広がる光景を見ながら白鐘が呟き、隣の木場が無言で頷いた。
 先程の道中で木場が聞いた水音の正体‥‥それは、天井から地底湖に滴り落ちる水滴の音だった。
 地底湖はプール程度の広さがあり、更に奥へと続く道が向こう岸に見えた、これまでに分かれ道や横穴などなかった事から考えて、先へ進むためには地底湖を渡る他はないようだった。
「できれば迂回したいけど‥‥無理ですよね、これは」
 ティナがため息を漏らしながら小さく呟く。その横では、ウェイケルと小鳥が揃って座り込みながら、やはりため息をついていた。
「ちっ。全然底に届きやしねぇ」
「‥‥かなり深いようですね」
 二人はウェイケルの鎌を杖代わりに湖の深さを確認しようとしたようだが、その程度の長さでは、全然底まで届かないようだった。
 他に何か手がないかと考えたが、結局湖を泳いで渡る他はないという結論に達した。
 まず最初に、一番手の木場がロープの端を持って地底湖を渡り、後続が渡る際のガイドにする。その後、一人ずつ順番に渡るという方法をとった。
 レイナ、ウェイケル、ティナ、サクリファイスと順番に渡った後、真夜の順番になり、一緒に残った小鳥と白鐘が気遣って声を掛けた。
「真夜様‥‥大丈夫ですか?」
「無理そうだったら手を貸そう」
 すると、当の本人は「大丈夫」と短く応え、軽く屈伸運動をして対岸を見据え、
「‥‥このくらいの距離だったら、何とかなる‥‥ハズ!」
 鋭い気合と共に、覚醒し、瞬天速を発動。目にも止まらぬ速さで洞窟の壁面を駆け、一瞬で対岸まで移動した。
 それを見た数名が『おぉー』と感嘆の声を漏らす中、
「‥‥しまった、その手があったか‥‥!」
 唯一木場だけが、ずぶ濡れになったシャツを絞りながら、悔しげに呟いていた。

●水泳の次は‥‥
 地底湖を渡った一行の前に、今度は大きく切り立った崖が姿を現した。
「ちっ‥‥今度はロッククライミングかよ」
 流石に疲れたような口調でウェイケルがぼやく。
 崖はおよそ20m近い高さがあり、天井近くに横穴が開いているのが見えた。
 失敗した時の事を考えると、流石に先程の地底湖での真夜のように無理矢理登るわけにいかない。
 そこで、ここでも先程と同じように、ロープの端を持った木場が先行し後続の補助を行うようにして、順番に登攀する方法をとった。
 更に、サクリファイスが、
「力作業ならお任せ下さい」
 と名乗り出て、木場と共に登攀のサポートを行った。

●『月花夢想』の真実
 全員が崖を登り終え、暫し横道を進む。
 すると、洞窟内とは思えない明るさと共に、突如視界が開けた。
「‥‥きれいです‥‥」
 ‥‥その光景を見た小鳥が、まるで夢を見ているような口調で呟いた。

 ――――そこに広がっていたのは、一面の『白』と、光の乱舞。
 ドームのように広がった空間の天井が一部崩れ、そこから月の光が差し込み、幻想的な光景を作り出していたのだ。
 咲き乱れる百合のような白い花‥‥『月花夢想』の上を、恐らく花粉であろう細かい粒子が、月光を受けてまるでオーロラのように舞っていた。
「月の如き花の下、ただ夢のみ想う‥‥か」
「ふぁ‥‥何だかホント‥‥眠くなってきちゃいそうですね」
 誰かが呟く。
 他の者も、全く想像もしていなかったその美しい光景を前に、暫し心を奪われ見入っていた。

 と、その時、ふと花の根元を見た白鐘の目に、異様なものが飛び込んで来た。
 それは、動物のものであろう無数の死骸‥‥中には半ば白骨化し、地面に半分埋まっているものもある。
 一瞬、天井の穴から誤って落ちた動物たちのものかと思ったが、その中に明らかに鳥類のものであろう死骸もある。
 と、その瞬間、彼の脳裏にある仮説が浮かんだ。
「まさか、これは‥‥」
 それから『月花夢想』の生態と毒性、そしてこの状況から判断し、ある結論に達した白鐘は、鋭い警告の声を上げた。
「全員、エミタを活性化しろ! これは毒だ!」

 覚醒状態となった一同に、白鐘が改めて『月花夢想』がこんな地下でも自生出来ている理由とその手段について、自身の考えを説明した。
「何て花なの‥‥こうやって毒で動物を殺して、養分を吸収しているなんて‥‥」
「一見害がなさそうな分、下手なキメラよりタチ悪ぃな‥‥」
 その説明は実に的を得ており、レイナとウェイケルが戦慄した声で彼に同意する。他の者も、同じ考えのようだった。
「あながち、今回の原因になったキメラの毒自体、連中がこの植物から作った代物かも知れないな」
 木場の荒唐無稽な仮説にも、異を唱えたり笑ったりする者はいなかった。
「とにかく、早く採取して帰りましょう」
 小鳥が促し、一行は早速作業に取り掛かった。
 保存用のケースを借りてきて正解だったな‥‥などと呟きながら、手早く作業を終えると、急いで引き返した。

●守られた約束
 ――――後日。
 依頼主の医師から、少女の母親が無事目を覚ましたとの連絡があった。
 ‥‥彼が目論んだ通り、『月花夢想』の毒性と少女の母親に注入された毒性が見事一致し、治療に効果を発揮したのだった。
 その待ちわびていた一報に皆は安堵して、手が空いていた者でお見舞いに行く事になった。

 医師と共に少女の母親の病室を訪れた一同は、彼女がやや衰弱しつつもしっかりとした様子で出迎えてくれたのを見て、改めて安堵の息をついた。
 その後、白鐘の提案により、本日の定期投薬と共にキュアが彼女に使われた。
 それで幾分楽になったのだろう‥‥彼女は「ありがとうございます」と改めて一礼し、微笑んだ。

 キュアを施した後、ウェイケルは医師を廊下に呼び出すと、『月花夢想』を分けて貰えないか交渉した。
「余った分で構わねぇんだけど‥‥」
 しかし、医師の表情と態度から察するに、望みが叶えられる可能性はなさそうだった。

 一方、ティナは前に来た時と同じように、少女に微笑みながら語り掛けていた。
「約束、護れたかな?」
 すると、少女は以前は見せてくれなかった満面の笑みを浮かべて、彼女に預けられた髪飾りを差し出した。そして、
「うん、ありがとう!」
 と、元気いっぱいに、心からのお礼を言ってくれた。