タイトル:【AA】ニートの戦いマスター:敦賀イコ

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/06/01 21:03

●オープニング本文


●ニートの宿命
「ちょっと北アフリカに行ってくれたまえ」
「そろそろそう来るだろうと思ってましたよチクショウめ」
 実ににこやかな笑顔で前線送りを伝える草刈正雄似の上司。
 それを伝えられたロズウェル・ガーサイド(gz0252)はもうすっかり諦めモードで不貞腐れるほかなかった。
 本人の予定を確認するどころか同意も得ないで駆り出されることはこれまでにも度々あった。
 その経験をふまえてロズウェルは、大規模な作戦行動があると聞いた時に、どうせ出撃させられることになるのだからと取得していた特許の一つを売却して資金を作り、機体のリース権を購入して装備も調えていた。やる気があるのか無いのかだが、面倒ごとが嫌いなので面倒を減らそうとして、本件とは別方向の創意工夫に励んでしまうタイプであるのは間違いない。
 かつて「機械工学の秀才」として確保されたロズウェルは、専用の研究室と最低限の費用を与えられてはいるものの部下も専門の開発事業もなく、現在、カンパネラ学園の地下研究施設でニート生活を送っている。
 そんなニートを有事の際に遊ばせて置くほど上司は甘くないのだ。
「猫の手どころかニートの手も借りたいほどでな」
「遂に猫の手以下の扱いか。マジぶん殴りてーなーコノヤロー」
 ははははと乾いた笑いがその場に響く。
 ・どこに行っても『どアウェー』
 ・どうせ暇なんだから、という理由で雑用を押し付けられる
 ・働いてからものをいえ、と意見封殺される
 ニートの三大宿命の前にロズウェルは為す術もない。
 ただ単にニートから脱却すればいいだけの話なのだが、それが難しいのがロズウェルという人間と立場の面倒くささだった。


●ニートの本業
 こうした、やる気もなにも見られない経緯の後に北アフリカ入りしたロズウェルを待っていたのは、戦闘ではなく機体整備の仕事であった。
 派遣先の前線拠点では、動員された新人整備員の経験不足から来る機能停滞が深刻化しており、技術者として歓迎と共に迎え入れられ、昼夜問わず引っ張りだこというある意味人生最大のモテ期に突入する。
 頼られれば無碍には断れない、妙なところで面倒見の良いお人好しであるロズウェルは、文字通り寝食を削って整備の仕事や新人の指導に尽力してしまっていた。

「絶対わかってたな‥‥クソッタレ」
 上司の食えない笑顔が脳裏に浮かび、栄養ドリンク片手に思わず悪態を付く。
 機械油と埃と人いきれの入り交じった空気、活気と緊張感に満ちた空間の中で一人の職人として働くのは嫌いではない。それどころか「帰ってきた」と懐かしさと安堵すら感じていた。
 つくづく自分は現場の人間なんだと、油の染み込み始めた掌に目を落とすロズウェル。
「ガーサイドさん、例のF−104ですけど」
 だが、若い整備士におずおずと声をかけられ、すぐに物思いを打ち切った。
「脚部のハイドロ見て問題なきゃ大丈夫だっつっただろ」
「ですが‥‥」
「あぁ、わかったわかった。情けねぇツラすんな」
 空になった栄養ドリンクの瓶をゴミ箱に投げ入れると作業用帽子を被り直し、不安を訴える整備士と共に機体へと向かう。
 まだ感傷に浸る暇などは無いのだ。


●ニートの戦い
 数日が経ち、新人整備員も慣れてきたのか現場の機能が回復し始めた。こうなれば若干余裕も生まれ、ロズウェルはようやくまとまった休憩時間をとることが出来るようになった。
 心おきなく、泥のように眠っていたロズウェルを緊急事態を告げるサイレンが引きずり起こす。
 拠点防衛の戦力が手薄になった隙をついて敵が接近してきていた。
 散発的に起こる襲撃には常に備えていたものの、人にも物資にも限界というものがある。人類の常識をはるかに越える技術と物量を有するバグアに対し、「万全の体勢を整える」ことは残念ながら不可能でしかない。
 所属部隊を呼び戻してはいるが、当の部隊は現在別の場所でバグアと交戦中であり、拠点に迫る敵にまで対応することは到底無理があった。
 今、この拠点に残されている稼働可能な戦力と言えばごく僅かしかなく、それは皆、直接攻め込まれた際に使うべき最後の防衛戦力だった。ただ一機を除いて。
 この一報を聞いたロズウェルは、テーブルに放置されていたカップに残った苦いだけのインスタントコーヒーを一気に飲みほすと、メガネをかけジャケットを羽織り足音荒く格納庫へと向かう。
「場所は?」
「現在、南南西に20km付近を通過中、とのことです」
 右往左往している下士官をつかまえて状況を聞き出したロズウェルは、自ら出撃することを告げた。
「そんな、無茶だ!一機では!」
「うっせぇ、こんな状況じゃやるしかねぇだろうがよ!オラ!出撃っすぞ、滑走路(みち)開けろ!!」
 少々の問答があったがすぐに発進許可は下り、Mk−4Dが発つ。
 ようやくの思いで築いた拠点と一人+KV一機とを秤に掛ければ当然の判断が働いたと言える。
 それと同時にULTへの援軍要請も速やかに行われた。
「傭兵連中が到着するまでにおおおよそ313.37秒‥‥耐えてやろうじゃねぇか、バグアのクソ共‥‥寝不足の技術屋ナメんなよ!!!」

●参加者一覧

寿 源次(ga3427
30歳・♂・ST
セージ(ga3997
25歳・♂・AA
阿野次 のもじ(ga5480
16歳・♀・PN
御巫 雫(ga8942
19歳・♀・SN
最上 空(gb3976
10歳・♀・EP
相賀翡翠(gb6789
21歳・♂・JG
ユウナ・F・シンクレア(gc3168
27歳・♀・SF
ハーモニー(gc3384
17歳・♀・ER

●リプレイ本文

●我が物顔のバグアに鉄拳を 今、ニートが危ない!!

 拠点からの救援要請に応じた傭兵達は、各々の愛機の座席に入り発進前の最終機体チェックを行いながら、逐一報告される情報に耳を傾けていた。
「出撃?たった一機で!? ガラにも無い事を、は言い過ぎか‥‥」
 寿 源次(ga3427)は驚きを隠さずに声を上げ、続けて首を傾げた。
「学園でグータラ生活をしてたんじゃ無かったのか?そもそもこんな前線基地で仕事が出来たのか?」
 なかなか酷い言われようだがロズウェルが学園でグータラしているのは事実であり、前線に設けられた拠点で働けるような高度なスキルがあったようにも見えないのがニート呼ばわりされている所以だった。源次の疑問は尤もである。
 その疑問に返されたのは「彼は良くやってくれている」という士官の一言だった。たったの一言であったが、独り言にも近い呟きにわざわざ返してきたそれに、源次はロズウェルの評価をしかと知り得た。
「何だ、思いっきり信頼されてるじゃないか」
「っていうか矢のように突っ込んで無茶しちゃって。今度から通称は矢ムチャね。まったく」
 うまいことを言ってのけたのは阿野次 のもじ(ga5480
 バクアを倒し基地を守りきるまでが私達の仕事よ、と遠足に出かける前の校長先生の訓示的な台詞を飄々と口にするが、鬼気は充満しており、眼光は鋭く彼方の空に向けられる。
「単機で突っ込むとは‥‥思い切ったことをするね」
 今回が初の陸戦となるユウナ・F・シンクレア(gc3168)は、今まで経験してきた空戦とは勝手の違う戦場となることに少しの不安を感じていたが、そんなことを言っている暇はない、と自らを奮い立たせる。
「少しでも早く助けに行かないと」
「まずはニートに接触し、後退させる。‥‥援護はするが、突出し過ぎるなよ、ユウナ」
 ユウナの不安を察してか御巫 雫(ga8942)はフォローを申し出る。クールに見えて、なかなか優しい心根の少女である。
「さて、全力で非常に典型的に王道で分かり易い死亡フラグをぶち壊しに参りましょう!」
 一足早く発進準備の整った最上 空(gb3976)がコクピット内で拳を振り上げた。
「ええ、そうね。折角だもの、楽しみましょう」
 凡てのことにおいて、『楽しむこと』を追求しているハーモニー(gc3384)は柔らかい笑みを浮かべ、感覚を確かめるように操縦桿を握る。
「ニート君を殺さないように、頑張らないと」
 人死にが出たら楽しくないもの、と更に笑みを深めた。



●さらば強敵(にーと)よ、バクア!貴様らの血は何色だ!!

 約五分。
 たったの五分ではあるが、ロズウェルにとっては一時間にも、十時間にも思える時間だった。
 キューブワーム(以下、CW)が集合し始めたのか、不快な頭痛は激しさを増すばかり。ロズウェルは荒い息をつき、込み上げる吐き気を飲み下す。少しでも気を抜けば意識が薄れそうになっていた。。

 CWの妨害電波によってレーダーの類は既に機能しなくなっており、目視で敵の姿を捉え、攻撃を回避する他無くなっているが、その頼みの綱の目視ですら、動くに連れてもうもうと立ちこめる土埃で危うくなってきていた。
 乾燥地帯、廃墟のビルの陰に吹き溜まりを作っていた土砂、砂漠から風にのって運ばれてくるソレは粒子が細かく、非常に軽い。一度舞い上がれば地に落ちるまで通常では思いもよらないほどの時間が掛かる。ましてや、10トン以上もの重量を持つKVが動き回り、廃ビルの瓦礫が雨霰のように地に落ちているのだ。状況は悪化の一途を辿っていた。
 乗機の損傷も激しく、とっくに機を捨てて脱出していてもおかしくない状態にある。
 プロトン砲とKV捕獲用の鋏の直撃を受けていた左腕は装備していた盾ごと破壊され、上腕部を僅かに残すのみ。
腕だけに留まらず、左半身の保護塗装は溶け落ち装甲が変形、脚部にも被攻撃時の衝撃による歪みが生じていた。
 機体の情報を表示するためのサブモニタには、各種制御装置の処理落ちを示すアラートがびっしりと表示され続けている。破損部からのリバースはくい止めていたものの、広がる影響は深刻なものであった。
 KVはKVという部品ひとつで動いているわけではない。幾千ものパーツから成り立つ複合品なのだ。微細な一カ所にでも不具合が出れば全体に影響を及ぼしかねない。ましてや、左半身が既に無力化してしまっているような状況では尚更。
「‥‥hi○o de p○○a!」
 悪態を付きながら機体を無理矢理に動かし廃ビルを背にしたその瞬間、コンクリート壁の真横をプロトン砲の光の束が削り取って行く。
 ギリギリの回避に胸を撫で下ろす暇もなく、今度は鋏が迫ってくる。
 横薙ぎに振るわれた鋏をどうにか避けるロズウェルに、頭上を過ぎった影に気付く余裕はなかった。


「見つけたわよ!」
 影の主はのもじだった。
 傭兵達は二機ずつに別れ、現場の砂煙の変化と戦闘の痕跡、移動後を追いロズウェルを捜索している。
 CWのジャミング下でレーダー類が効かなくなっている現場、更には視界不良という悪条件が重なり、発見は困難かと思われたが、一度、現場上空を通過してから捜索に入ろうとしたのが功を奏した。


 地上では小競り合いが続いている。
 ワームの体当たりをまともにくらったロズウェル機が不自然にひしゃげ、体勢を立て直すこと、受け身を取ることなども出来ずひび割れたアスファルトの上に叩きつけられた。
 衝撃に割れたキャノピーの破片が降り注ぐ中、これまでか、とロズウェルが奥歯を噛みしめたその時、凛とした声が響いた。

「間半髪につき名乗り省略!」

 十二枚の可変翼と四基のバーニアをフルに稼働させた『日輪装甲ゴッド・ノモディ』が空中で人型形態へと変形、そのまま垂直離着陸能力を利用してワームへと蹴りを浴びせかける。はためく赤いマントが目に眩しい。
「GOD真拳奥義・流星脚!!」
 名乗りこそは省略したものの、必殺技名だけは忘れないのもじであった。
 ワームとロズウェル機との間に降り立ち、ワームを威嚇するかのように構えを取る。
 何が起こったのか。CWの電波頭痛攻撃と睡眠不足でヘバっている脳味噌では理解が追いつかず、目の前に降って湧いた援軍にロズウェルは目を点にした。いつの間に拳法やら奥義やら開発した、とかそんなツッコミを入れるべきか入れないべきか迷いつつ。
「美幼女が助けに来てあげましたよ!この借りは高く付きますよ?」
「徹夜明けでハイになるのは構わないが、そのまま燃え尽きて灰にはなるなよ?」
「‥‥え?あ、あぁ‥」
 セージ(ga3997)と空もこの場に到着し、照明銃を上空に発砲し仲間にロズウェル発見の合図を送る。
「ニートさん!!勝手に死んだら、ニートさん総受けのBL本を学園にばらまきますよ!!あと、メカメロンが大変な事になりますよ!空が蹂躙しますよ!」
「‥‥そりゃ大変だなコノヤロー。名誉毀損と器物損壊で最高裁まで争ってやんぞ‥‥」
 空のイビルアイズ『ザミエル』の試作型対バグアロックオンキャンセラーの稼働範囲に入り、CWの妨害電波が中和され、幾分ではあるがレーダー類が回復し通信もクリアな音質に戻っていった。
「こちら傭兵部隊!ガーサイドさん、聞こえてたら応答を」
 ユウナからの通信が入ると同時に、高速二輪モードのヘルヘブン250とシラヌイが廃ビルの影から姿を現す。
 雫の『千鳥【ちどり】』が機盾「レグルス」を構えプロトン砲を警戒する。
「童貞のまま死にたくはなかろう。後退しろ。ここは引き継ぐ。 ‥‥勘違いするな。メカメロンの量産を果たすまで、貴様に死なれるわけにはいかないだけだ」
 雫にとってメカメロン>>>(越えられない壁)>>>ロズウェルという式は揺らがないらしい。
「ただ逃げ回っていただけではないだろう?CWの位置座標の収集程度はやっていたろうな?」
「‥‥連中が動いてねぇって保証はねぇがな‥っつーか童貞ちゃうわ‥‥!」
 疲労困憊であってもそこだけは否定したかったらしい。
「よう、ニート。助けに来てやったぜ。なぁに太陽の下ではりきってんだよ、地下住人だろうが」
「おぅ!もうニートとは呼べないな!」
 轟音と共に瓦礫が破砕され、そこから姿を現したのは源次のリッジウェイ『大山津見』と相賀翡翠(gb6789)の『焔珠』だった。障害物を悉く排除してきたのだろう彼らの背後には見事な道が出来ている。
「ったく無茶すっから‥後は任せて大人しく引っ込んでろ」
 スクラップ寸前のロズウェル機を目にした翡翠は、心配に表情を曇らせる。
「‥‥そうさせてもらうわ‥悪ぃがろくに動けそうにねぇ‥」
 機体にも、精神、肉体にも限界に達していたロズウェルは素直に傭兵へと後を託し、一時離脱を開始した。



●対決傭兵VSバグア! 今こそこの戦域に終止符を!!
 突如現れた傭兵達に対し、ワームは僅かに退いて体勢を整える。
 傭兵達の登場に呼応するように風がおこり、もうもうと立ちこめる砂埃を押し流していった。

 砂塵が流れるその中で、源次はロズウェル機からワームの注意を逸らそうと135mm対戦車砲を発砲する。
 案の定、『大山津見』へと向かってきたワームの鋏をストライクシールドで受け止め、その場で耐える。これは分厚い装甲と重量があってこそだった。
 その一方でプロトン砲を撃とうと下がった一機のワームにセージの『BB(ブルー・ブレイカー)』が接近、機盾を構え砲撃を誘うように動く。
「一緒に踊ろうぜ、死と破壊が奏でる舞踏曲を!」
 その動きに釣られて発射されたプロトン砲は、セージの背後にいたCWを撃ち抜き爆破させた。

 二人がワームを引き付けているその間、位置情報を受け取っていた雫らはCWの撃破に向かう。
「‥ったく、頭痛ぇぞチクショウが!!」
 翡翠が痛みに萎えそうになる自己を奮い立たせるための悪態を付きながらGPSh−30mm重機関砲で付近を掃射する。
 妨害電波の影響で火線はブレがちとなるが、重装甲陸戦兵器を撃破する為に開発されたガトリングガンの威力は強大であり、CWに脅威を抱かせるには十分だった。事実、一機が火線に巻き込まれ爆発していた。
 弾丸から右往左往と逃げまどうCWを、廃墟を盾にしながら接近していた雫とユウナ、強化型ホールディングミサイルとR−P1マシンガンとが撃ち落とす。後方から、砂煙をこれ以上立てないようにと慎重に狙いを研ぎ澄ました空の一撃が届き、さらにもう一機CWが沈んでいった。

 強力な妨害電波を発するCWが全て撃墜されたことにより、異常を示していたレーダーの計器類が回復し、悩ましかった頭痛もぴたりと止まる。こうなれば、傭兵達の独壇場である。

「どうした! この程度ついて来れなきゃ話にならないぜ?」
 風をイメージし、時には優しく凪ぎ、時には激しく荒れ狂うような動きでワームを翻弄し続けるセージ。
 追従しようとまごつくワームの側面に回り込むとPRMシステム・改を起動させ、試作型「スラスターライフル」を撃ち込む。高速連射された弾丸がワームの装甲を穿ち砕き、そこへと空が放ったライフルの一撃が打ち込まれる。
「目線で成り立つ連携。それが信頼と言う名のコンビネーションだ」
「まぁ、そういうことですね」
 プロトン砲の射線に入らないように常に気を遣い動いていた雫が、ユウナの援護を受けながら機体を加速させ、一足飛びにワームの懐に飛び込むと機刀「陽光」で一閃。赤く煌く陽光の残照と爆煙が混ざり合った。

 源次が引き付けていたワームへと翡翠が放ったGPSh−30mm重機関砲の弾丸が襲いかかる。パニッシュメント・フォースにより威力が高められたそれは、先ほどの掃射の比ではない。着弾のたびにガクガクと揺れ踊り装甲の破片を撒き散らすワーム。力無く傾いたそれへとHighナックル・フットコートが施された『大山津見』の拳とレッグドリルが迫り、蹴り飛ばされた先には、地獄の業火を思わせる色彩を持つ『焔珠』が双機刀「臥竜鳳雛」を構え待っており、死に体のワームを無慈悲に斬り捨てた。

 最後の一機となったワームに向かってのもじが指を突きつける。
「さあ、覚悟なさい!我が怒りの拳は留まることをしらない!」
 PRMシステム・改を起動させると、ナックル・フットコートγが施された拳を振り上げ、そして
「これはニート救出に参加できなかった傭兵達の憤りの分」(ドカ!:ワームの鋏を殴りつけた音)
「これは名もなき整備兵達の哀しみ」(ガッ!:ワームの『手』部分を殴りつけた音)
「これは襲撃のせいで龍神池で遊びにいけなかった私の怒り」(ゴシャ!:上部装甲を潰した音)
「そしてこれが‥‥アニーちゃんのムネぽっちに惑わされて(お星様の)全てを失ってしまったオレの怒りだ!くらえ怒拳四連想!!」(ドガガン!:伸び上がりアッパーをくらわした音)
 テーレッテーと処刑用BGMが聞こえてきそうな怒濤の攻撃の前にワームは為す術もなく、よろよろよろけながら後ろに数メートルほど下がり大爆発して果てた。「ばわ!!」という断末魔が聞こえたとか聞こえなかったとか。
 怒りの鉄拳が炸裂したわけだが、これはのもじの怒りというより背(お察しください)の八つ当たりであろう。



●安穏の代償!外へ出たニートに安らぎはない!
 こうして無事、傭兵達に窮地を救われたロズウェルだったが、「よく生きてたなぁ‥さすが、しぶとい」と翡翠に微妙なほめ方をされたり、「え、もう無茶はコリゴリ?じゃ愛称は嫌無茶でいいわね」とのもじに巧いこと言われてみたり、拠点に戻れば「ほう。いい面構えになったじゃないか。疲れているだろう、ここは私達でやっておく。今はゆっくり休むがいい」と雫に労られたのは良いのだが、ドジッ子スキルを発揮されて結局仕事を増やされたり、空には何故か芳香剤を手渡されたり赤飯を作れと要求されたり、夕日に染まった拠点を眺めながら源次に右肩を叩かれ「そんな事よりも見てみろ、あの夕日に染まった基地を。お前さんが守りきった基地だぞ?整備再生コンサルタントとか出来そうじゃないか?」と言われ、それを聞いてその気になった拠点の整備主任に残留を打診されたりして、眠る暇どころか休む暇もなくなった。
「‥‥ちょっとでいい、眠らせてくれ‥‥ホントマジで‥‥」


総論:ニートがたまに働くと絶対ろくな事にならない。いろんな意味で。


 余談ではあるが、この一件の後、ロズウェルの引きこもり属性はますます酷くなったという。