タイトル:【NE】北極圏乱流マスター:敦賀イコ

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/07/09 19:15

●オープニング本文


「突然だがウペルナビクに向かってくれないか?」
 上司はにこりともせずにロズウェル・ガーサイドに伝えた。
 あ、またこのパターンかよ。とロズウェルは思わずにいられなかった。それ以前に、なんで上司がグリーンランド基地にいるのか疑問が湧いたが、そういえばUPCの技術士官だったっけと今更ながらに思い出し自己解決。ラウンジのカウンターにもたれかかり、コーヒーの入った紙コップに数秒間目を落とした後、聞いても無駄だろうなと思いつつロズウェルは尋ねる。

「何で俺が?」
「君暇だろ?」

 一瞬の沈黙が落ちる。

・どこに行っても『どアウェー』
・どうせ暇なんだから、という理由で雑用を押し付けられる
・働いてからものをいえ、と意見封殺される

 この三つは逃れようもないニートの宿命である。
 実際、囮として放り出されただけで特にたいした役割も無く、侵攻作戦の都合でグリーンランドに足止めされていただけのロズウェルは紛れも無く暇なのだから、上司の言葉はもうまったく否定しようが無い。そもそも底辺層に拒否権などは無い。

 さておき。

 ウペルナビクとは西グリーンランドにある町である。飛行場を有しており、バグアとの戦闘において最前線に位置する町でもあった。
 ウペルナビク陥落は先だっての大規模作戦でようやく押し上げた前線の後退を意味する。
 そのためUPC軍でも相応の戦力を配置しているのだが、ここ数日の間に周辺で中型ワームの姿が目撃されており、援軍を求めていた。

「いや、待て。話はわかったが、俺の機体丸腰ですよ」
 誰かさんの悪趣味な嫌がらせのせいでね、とロズウェルは顎を突き出す。
 そんな態度を柳に風で受け流し、上司は軽く笑う。
「安心したまえ、幸運なことに前回の大規模作戦時に各地から集められた武装が残っている」
 今なら格安で提供しよう、との言葉に胡散臭さを感じながら渋々と格納庫に向かったロズウェルを待っていたのは相変わらずどノーマルの愛機R−01と『悪夢の再来』だった。

 刃渡り4mのKV用チェンソーは威力は絶大だが、切っ先となる刃部分は軽く、後ろの発動機部分が重い。武器としてのバランスが悪いものだった。キックバックの危険もあり扱いには相当の技量を要する『玄人好み』の武器である。繰り返しとなるがその威力は絶大であり、巧く取り扱いさえすれば強靭な敵でも真っ二つにすることが可能だろう。

 ただ、残念なことにロズウェルは技量も無ければ玄人でも無い。

 整備員達の哀れむかのような目線が切なすぎる。
 ロズウェルはすぐさま壁のインターフォンに取り付き、上司に抗議の連絡を入れる。
『何も君一人で行けとは言っていない。ULTには依頼を出しておくから、安心するといい』
「北米決戦前に傭兵だって忙しいでしょうよ!誰も来なかったらどうすんスか!?」
『それは君の人徳の無さだと思って諦めたまえ』
「チクショォォオ!!?」

●参加者一覧

如月・由梨(ga1805
21歳・♀・AA
リュイン・グンベ(ga3871
23歳・♀・PN
守原クリア(ga4864
20歳・♀・JG
瓜生 巴(ga5119
20歳・♀・DG
阿野次 のもじ(ga5480
16歳・♀・PN
ヴェロニク・ヴァルタン(gb2488
18歳・♀・HD
小笠原 恋(gb4844
23歳・♀・EP
桂木穣治(gb5595
37歳・♂・ER

●リプレイ本文

●突撃、ニートのチェーンソー
「ほえーーっ、メカメロンの開発者なんだ」
 ウペルナビクへと向かう高速艇の中で、リュイン・カミーユ(ga3871)と桂木穣治(gb5595)から今回の救援対象となるロズウェル・ガーサイドについての話を聞いてクリア・サーレク(ga4864)は感嘆し、友人であるヴェロニク・ヴァルタン(gb2488)と共に、頑張って助けるぞ!と気合を入れた。また、以前に北極圏限定で放送されていたプロパガンダの映像に心を躍らせていた小笠原 恋(gb4844)は、期待に瞳を輝かせ胸の前で拳を握り中空を見上げる。
「グリーンランドの英雄。兵器開発部の『眠れる獅子』勇猛果敢な天才科学者ロズウェル・ガーサイドさんと共に戦えるなんて光栄ですっ」
 実際のところは純粋な少女らの期待をがっつり裏切ること間違いなしのロズウェルなのだが、それをよく知るリュインと穣治の二人はアイコンタクトを交わしニヤリと笑いあった。
「夢を壊してはいかんよな」
「そうそう、若者の夢と希望は壊しちゃ駄目だよな──でも上司さんも無茶するなあ」
 この前確か『避けるのがやっと』だったはずだが、と心中で続け顎をなでる穣治。
 その無茶な上司には出発前に阿野次 のもじ(ga5480)が基地内部の事務所で椅子の上に仁王立ち、挨拶ついでに指を突きつけていた。
「私の名前は阿野次のもじ!好きなWSはスノーボード。気軽にいっちゃんと呼んでね‥‥それはそうと今回の一件、一つ間違えば大惨事!納得いかないわ。釈明はいらないけど遺恨が残らぬよう、このいっちゃんが人肌脱いで差し上げるわ、いいわね!」
 何故椅子の上に立つ、何故いっちゃん、何故夏場にスノボ、一肌じゃなくて人肌を脱いじゃうのかよ、など諸々のボケが満載だったのだが、現場にツッコミ不在だったのが悔やまれる。
 さておき。
「1機で中型ワーム4機は相当にきついでしょう。できるだけ早く向かって差し上げませんと」
 如月・由梨(ga1805)はニートの身を案じて形の良い眉を顰めた。
「きっと今頃は、どアウェイの中心で助けてくれを叫んでいるに違いない。まだ逝かせるには惜しい人物だからな(弄れる的意味で)」
 リュインが長く伸びる金髪をかきあげながら瞳を細める。
「ともかく、急がないとですね‥‥」
 瓜生 巴(ga5119)は真剣な面持ちで呟き、深く頷いた。


●第14話『4人目の戦士はニート?溢れる果汁★ノース・メロン登場!!』
 ウペルナビク飛行場を発った傭兵達は北極圏の風を切り低く飛ぶ。

 その中でも巴はブーストを使用して一足先に現場付近へと到達していた。
 スムーズな減速を行うために最高速度までは引っ張らず、付近に差し掛かると機首を上げて高度を取った。これにより自然と機体速度は減り、負荷のかかる急制動を行う必要が無くなるのだ。
 さらにはロールを行い、目視で地上の状況を確認する。NT機の様子はもとより着地に適した地点を瞬時に把握し、後続に情報を送信する。

 地上には蟷螂に酷似したワーム1機と殴り合っているNT機の姿があった。周囲に同じく蟷螂のようなワームが3機、取り囲むようにして待機している。4対1ならば簡単に潰せるというのにそうではなく、わざわざ1対1でしかも殴り合いというのは、ワームに完全に遊ばれている様子であった。
「NTがワームと1対1で殴り合っています。あ、ワン・ツーが入りました、よろけてます」
 チェーンソーを打撃武器にするとか意味ないんじゃないかなぁ‥‥と至極真っ当な疑問を口にしつつ、落ち着いた調子で実況を行うと機体を立て直し、ロケットランチャーでワームを攻撃する。
 敵機の撹乱を目的とした射撃はNTだけを見事に避けて周囲やワームに着弾する。

 舞い上がる氷片と爆煙の中、襲撃に気をとられたワームの間を縫うようにすり抜けNT機は後退する。逃げ足の妙な速さが巴の印象に残った。

 新たな敵の襲撃に遊びをやめたワームが矛先を変え、迎撃に移ろうとしたが高速で飛来したロケット弾に阻まれる。
「ナイトメア1よりNTへ。無事か? 無事だな。無事だと言え」
 この、クールな唯我独尊振りはリュインだ。
「一択しか選べない問いかけって意味無くない!?!それよりそのコールサインは嫌がらせか!」
 やや必死なニートのツッコミをリュインはふふん、と鼻で笑う。
「嫌がらせに決まってるだろうが」
「聞いた俺が悪ぅございましたっ」
 続いて仲間の着陸、変形をサポートするべく放たれた桂木機の対地攻撃が、ロケット弾を避けてバラバラに散っていたワームに襲い掛かる。
「よお、アミーゴ!元気にキャンプ場襲ってるかー?」
「バカップル襲うほどの暇なんざねーよ!!」
 前回、KVでの戦闘とその際の情報管制を経験しており、既にコツを掴んでいるのか穣治は無駄の無い堂々とした動きを見せていた。

 その間にも傭兵達が次々と現場に到着する。
「こちらサダコ2、これより着地に入ります」
「フライデー13了解、こちらも続きますっ」
「トイレの花子了解!」
「あ、赤マント了解ですっ」
 何やら夏場に相応しいコードネームの数々が飛び交った。ニートがそれに何かを言う隙も無い。

 巴の情報から割り出された着地点に鋼の巨人達が立ち並ぶ。

 その中でものもじ機は一際派手だった。
 シュテルンの能力をフル活用し上空で変形。なおかつ『かっこいい』決めポーズをとりながら全チャンネルをオープンにし大音量で名乗りを上げる。
「あふれるフレッチュな香り・シュテルン★ストロベリー、見参!!」
 これにはワームも空気読んで動きを止めた。というより予測も理解も不能な出来事に自律回路が対応し切れなかったというほうが正しいだろう。何せ仲間の巴も「ええーッ!?」と動きを止めてしまったぐらいなのだから。
「シィィィド・L・シャワァァァァァー!!」
 と腹の底から必殺技っぽい単語を叫びつつ地上掃射。止まっていたワームに弾丸を浴びせかけ追い払う。華麗に垂直着陸を成功させると再びポーズを決め仲間に呼びかけた。
「いくよっ、マンゴー(仮)、キューイ(仮)、アヌビス★ラズベリー!!メロン卿を助けて、皆でチェーンソーGETだよ★」
 正義の味方の割にはとても即物的でした。

「ニート様ー、まだ生きてますかー?」
「助けに来てくれてありがてぇんだが、ニートに様付けって貶してんのか敬ってんのか‥‥」
 覚醒中のヴェロニクの淡々とした声にニートが思わずボヤく。間髪いれずにクリアの驚いたような声が響いた。
「ええっ、ニート・ロズウェル・ガーサイドって言う名前なんじゃないの!?」
「そんな嫌なファーストネームがあるかぁぁ!!?」
 渾身のツッコミを入れるニート。R−01が2機並んだフェニックスの方に向かって『なんでやねん』とばかりに腕を振るう。
 敵を目の前にしてこのやりとりである。余裕があるのか無いのか。
『だいじょうぶなのかなこのひとたち‥‥』と巴は驚いたり焦ったり不安を覚えたりしていたが、すぐにその隙の無さに気がついた。先ほど派手に登場したのもじのシュテルンはしっかりとワームを遠ざけており、クリアとヴェロニクのフェニックスはワームからNT機を庇い立てる位置についていた。構えたツングースカと盾、Gナックルがワームを無言で威圧する。ふざけた様に見えても彼女らは間違いなく傭兵であり、敵と戦うことに油断は無かった。
 このことに感心を覚える巴だったが
「でも上司がいて命令もらう時点で本当はNEET(教育を受けておらず、労働をしておらず、職業訓練もしていない)じゃないよね。どちらかと言うと、スーダラ社員?」
「立ち位置的にはヤマ○カさん?」
 クリアとのもじのやりとりに、やっぱり大丈夫なのかな‥‥と小首を傾げた。


 由梨のディアブロが降り積もり固まりきらない雪を舞い上げながら氷床を駆け、いち早く攻撃の体勢を立て直していたワームを殴り飛ばす。ワームらの気勢を挫く意味合いがあったのだが圧倒的な攻撃力はそれに止まらず、ワームを上下に分断し粉砕していた。上半身は原形を無くし遠く落ち、後に残るのは腰と脚部のみだった。
 あまりのことにたじろぐ素振りを見せた他のワームらをマシンガンで牽制しながらNT機に近接すると、扱いづらい武器を持つよりは、とライフルを差し出した。
「どうぞご自由にお使いください。これでしたら少しは戦えるでしょう?」
「これを!ニートさんなら使いこなせるはず!」
 それと同時にクリアも伝説の聖剣のような前フリでシャベルを投げ渡した。
 咄嗟に、両手で持っていた悪夢の再来を離しそれらを受け取るニート。氷床に落下した悪夢の再来は何かイヤな音を立てて沈黙した。
 物事にはタイミングというものがある。それが素直にかみ合いさえすれば万事が万事巧く運ぶものなのだが、ニートの周囲には科学でも哲学でも説明しきれない何かしらの歪みが生じているようだった。

「‥‥。」
「‥‥。」
「‥‥。」

 一拍の静寂のこの隙にワームが迫るが、横合いから接近していたアヌビスが鬼火を放つ。乱れた重力波の影響をまともに受け大きくよろるワーム。機を逃さずナイフでの鋭い一撃が加えられ、この攻撃に死に体となっていたワームはのもじの剣翼に切り裂かれ爆発を起こした。
「ロズウェルさん手を抜きすぎです。私達に見せ場なんて残しておかなくて構いませんから一気にやっちゃって下さい!」
 ニートを凄腕の天才科学者だと信じて疑わない恋は、期待に満ち満ちた声色でライフルとシャベルを手にしたR−01をぐいぐいと前面に押し立てる。彼女の瞳は今、酷く透明にキラキラと輝いている。
「ちょ、やだコレ何コレ新手のイジメー!?!」
「ロズウェルさんの事ですか御一人でもこの程度の敵は薙ぎ払えるのでしょうし、私なんて足手纏いかもしれませんけど精一杯援護させていただきます。さぁ、思う存分戦っちゃってください!」
「おおおおお落ち着けセニョリータ!?君は大きな誤解をしている!!」
 NT機の護衛についていた穣治はガトリングで近づこうとしてくるワームを牽制しながら、陽気に軽く口を開く。
「女の子の期待は裏切るモンじゃないぜ、『眠れる獅子』さんよ」
「テメェ!後で覚えてろよ!」

 穣治のガトリングに足止めをされているワームに向かってヴェロニクが突出する。
「フライデー13、こちらが先行します。コンビネーションBの7で」
「了っ解!」
 気を取り直したクリアもそれに続き、普段から練習を重ねている連携をこの場で惜しげもなく披露した。
 砲撃の照準を定められないように位置を入れ替えながら接近を重ね、まずヴェロニカのツングースカが火を噴く。その間に更に距離を縮めたクリアのGナックルがワームに叩き込まれた。
「いっけぇ鉄拳!ふぇにっくすぱーーんち!!」
 両手の鎌を交差させ、ワームは弾丸と拳の嵐をやりすごそうと防御姿勢をとる。動きを止めたその一瞬に二機のフェニックスはワームの両側面をとり、機槍の穂先と練剣の光の刃を装甲に深々と突き込んでいた。
 装甲の内部で破砕音を響かせると各所から黒煙を上げ、ワームは崩れ落ち活動を止める。

 それと時を同じくして、リュインと巴は1機残ったワームを追い込んでいた。
 リュインのレーザーガトリングに踊らされたワームに巴の正確な射撃が加えられ、ワームは大きく重心を崩す。反攻に転じるが狙いのおぼつかない攻撃が彼女らを捉えられる筈も無く、振るわれた鎌は空を切り、放たれた光線は虚しく何も無い場所を通り過ぎて行くだけだった。
「瓜生、ガツンと行け」
 言葉通りに巴は容赦なくワームを攻め立てる。殴打により顎を跳ね上げバランスを崩せば、足元への攻撃も重ねる。装甲がひしゃげ破損した脚部には抉り追い討ちとばかりにリュインのヒートディフェンダーが突き立てられた。移動力を奪われたワームは成す術もなく至近距離からのレーザー砲に動力部を焼かれ、爆発四散した。


●ジェイs‥‥ロズウェルは生きていた
 4機のワームを掃討した氷原に風が吹く。黒煙と融けない雪とが混ざり合って空に昇る。
「ナイトメア1からNTへ。今の気分を6文字以内で」
「‥‥いとわろし」
「死語の次は古語か」
 疲れきった様子のニートの返事にクク、と笑うリュイン。
「他に何か言いたい事は?というか、コールサインばらばらって何だとかつっこめ。単なるノリだがな」
 どこまでもわが道を行くマイペースぶりだが、NT機が健在なことに安堵しており、無事に生還出来て何よりだと心中では思っていた。これからもせいぜいどアウェイ生活を生きろ。とも同時に思っていたわけだが。
「本当、ご無事で何よりです」
「あぁ、ありがとうよ‥‥」
 由梨の心の底から身を案じる言葉にニートは涙腺を刺激され目頭を押さえる。久方ぶりに人の思いやりというものに触れた気がしたのだ。
 やりとりの間に穣治はカメラ型超機械でR−01を撮影している。後日、その写真が北方軍の広報に使われることになるのだがそれはまた別の話。
「そういや今回俺以外女性ばっかりだな‥‥」
 思い出したように穣治は首をかしげ、そして人の悪い笑みを浮かべた。
「ガーさんもスミにおけないな。どんな女性がタイプなんだい?」
 年頃の娘としてこの手の話題が気になるのか、ヴェロニクが間髪入れずに問いかける。
「ご結婚はされているのですか?」
「ん?いや、まだ独身だが」
「ふーん‥‥ばるたんにも春が来たのかなー?」
 クリアが茶々を入れるが、ヴェロニクに素っ気無く否定され「バッサリですかー‥‥」と肩を落とした。
 一方、恋は感動に打ち震え、やや興奮気味に声を上げる。
「ロズウェルさん!今日は体調が悪かったんですね。でもそんな身体なのに無理して出撃してくるなんて‥‥さすがは『眠れる獅子』ロズウェルさん、能力者の鏡です!!」
「いや、だから、あのn‥‥」
「そうだぞ!ガーさんは立派な漢だ!」
「ああ、ニートとは世を忍ぶ仮の姿でな」
 過大評価と誤解を解こうとニートが説得を始めようとしたが、即座に穣治とリュインのコンビネーションの前に潰された。
 コクピット内で頭を抱えギリギリと歯軋りするニート。
 冷静に仲間達のやり取りを見守りながら、巴は『正直、実は凄腕なんじゃないか疑惑』を胸に抱いていた。凄腕と言うよりは妙な方向での強運を持っているようではあったが。


●「ツンデレだって思えば大抵のことは許せちゃうけど起ってる現象はヤンデレ」
 帰還後、認め愛には握手から、とのもじの提案で傭兵達の立会いの下、上司とニートはエクストリーム腕相撲で勝負をつけることになった。だが、実はファイターである上司にあっさりと負け、その様子に穣治とリュインは壁に突っ伏して笑い転げ、恋は「上司を立てるためにわざと負けるなんて、流石ですロズウェルさん」と瞳を潤ませた。
「勝っても負けてもお互い遺恨NONNON♪レッツ幸せメロン」
 のもじの明るい声が基地内にこだました。