タイトル:【AP】花畑島殺人事件マスター:青井えう

シナリオ形態: ショート
難易度: 易しい
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/04/15 02:08

●オープニング本文


※このシナリオは架空のシナリオです、CTSの世界観に即してはいません。

「犯人はこの中に居ます!」
 ズビズバーンっ! という雷鳴が轟き、部屋に集まった人々は怯えと驚きの混じった声を上げた。
 全員を部屋に集めたヒータ・エーシル大尉は、彼らのその反応を冷静に、全てを見透かす瞳で見回している。
 花畑島、ヒータ別荘宅。
 彼女はこの花畑島に、能力者達を招待した張本人だった。日頃お世話になっている彼らへお礼をという事で、ヒータの祖父所有とかいうこの花畑島に乗り込み、春の無人島バカンスツアーを開催したのである。
 しかし、それがバカンスとは程遠い悲劇の始まりになった。
 革張りのソファ、西洋風のテーブル、しっとりと落ち着いた調度品。洗練された応接室はしかし、疑心と恐怖の渦巻く負のエネルギーに満ち満ちている。
 集まった人達は憔悴しきった顔でヒータ大尉の次の言葉を待っていた。部屋の中は恐ろしい沈黙が支配する。それとは対照的に、外に降る激しい雨は不気味に窓を揺らしていた。花畑島を突如として襲った嵐。
 海に目を向ければ波は高く、非常に危険だ。当分の間、誰かがここにやってくる事は無いだろう。
 ライフラインは完全にこの別荘で自給自足している。地下水を汲み上げてろ過し、ガスは使わずに電気で全てもまかない、地下には大型自家発電装置がある為に、停電の心配は無い――はずだったのだが、今その部屋は薄暗闇に包まれていた。
 何か、異常事態が起こっている。
 今までの経緯を知らなくても、全員の緊張した顔や薄暗い部屋がそれを物語っていた。
「し、しかし、何か根拠はあるのですか大尉? 俺には到底、信じられませんが‥‥」
 ふと沈黙に耐え切れなくなったように、ライト・ブローウィン少尉(gz0172)は訊ねた。集まった他の能力者達も賛同の言葉を漏らす。
 だがヒータは首を横に振った。
 ゆっくりと、しかし悲しそうに首を振って答えた。
「いいえ、根拠はあります。‥‥そもそもの発端は、第一の殺人の時――」
 そう。この館では今。

 殺人事件が起こったのだった。

●参加者一覧

リディス(ga0022
28歳・♀・PN
水上・未早(ga0049
20歳・♀・JG
幡多野 克(ga0444
24歳・♂・AA
ホアキン・デ・ラ・ロサ(ga2416
20歳・♂・FT
鳥飼夕貴(ga4123
20歳・♂・FT
風羽・シン(ga8190
28歳・♂・PN
御巫 雫(ga8942
19歳・♀・SN
サルファ(ga9419
22歳・♂・DF

●リプレイ本文

●状況説明
 全員を集めて言い放ったヒータに、真っ先に鼻であしらった者が居た。
「‥‥やあねぇ。犯人なんて分かりきった事じゃない。現場に彼のナイフが落ちてたんだもの」
 鳥飼夕貴(ga4123)はワインをあおりながらチラリと目線を流す。
 薄暗い部屋の隅、柱に縛られた風羽・シン(ga8190)に冷たい視線が集まった。
「違う、俺じゃない! これは陰謀だ!」
「そうだよ‥‥、殺人犯なんて‥‥いるわけないよ‥‥。大げさだなぁ‥」
 ポツリと呟いたのは幡多野 克(ga0444)。アイスを涼しげに口に含む。
「‥‥何を言ってるんですか、克さん。殺人は間違い無く‥‥」
 しかしヒータはそこまで言って口を閉じる。
 空になったアイスの容器を見つめる克の瞳に、言葉とは裏腹の憤怒が燃えているのだ。
 ふいに沈黙する応接室で、紫煙を吐き出す一人の女性。
「‥リディス・アレクセイ・ラヴロフです。この事件はまさに難事件‥証拠は今ひとつ決定力に欠ける‥。なぜなら私が――げふんげふん」
 不穏な言葉に全員がリディス(ga0022)を見る。しかし彼女は気にする風も無くショットグラスをあおった。良く見ると頭がコクコク揺れている。
 ダメだ、すっかり酔ってやがる。全員が溜め息を付いて首を振った。
「ではまず‥‥、事件を整理してみましょう。確か大佐の第一発見者はあなたでしたね?」
 ヒータは入り口の方に目を向ける。そこに立っているのは一人のメイド。
「――未早さん」
 顔を強張らせる水上・未早(ga0049)だった。

 未早は花嫁修業のためにメイドのアルバイトに来ていたのだ。本人はそれを否定しているが、間違いなかった。
 しかしその彼女も、今では青い顔になって口を開く。
「はい。あの時‥‥戸棚の上へ食器を片付けていたら彼がお尻を撫で回してきて‥驚いた私は横にあった招き猫を引っ掛けてしまったんです。それが彼の薄い頭部に直撃するとそのまま気を失ったようで‥‥。だから私は救急箱を取りに行きました‥‥!」
「しかし数分後戻ってきたアナタは、毒を飲まされ、ナイフで滅多刺しにされた挙句、RPG−7ロケット弾で無惨な爆死体となった大佐を発見した、と。そういう事ですね?」
「‥‥はい、その通りです‥‥」
 しおらしくうな垂れる未早。残酷極まりない犯行だった。
 しかし、克はおはぎを頬張りながらポツリと呟く。
「ん‥‥自業自得な感が‥拭えないのは‥何故だろう?」
 大佐は三度ほど殺して当然。
 サラリと口走った克に、しかし不審を抱いた者はいない。
「まぁ花畑島名物の『怠伽羅芽流』を禿茶瓶が‥‥もとい大佐が独占したのは良くありませんでした」
「まったく、アイツはロクな事をしねぇ」
 むしろ同調する。
 その『怠伽羅芽流』とは、かの有名な掴空書房刊『伝説のすぃーつ(笑)』にもプッシュされているほどな極上の一品である。しかし、ポボス大佐がそれを独占していた。犬畜生にも劣る所業である。
「動機は全員負けず劣らず。しかし、シンさんのナイフが現場に落ちていたのは‥‥事実です」
「た‥‥確かにそれは俺のナイフだが‥‥。俺はやってねぇって! 本当だ!」
 シンは身の潔白を主張する。
 しかし彼は常日頃から大佐への不満を漏らしていた。動機と状況証拠は揃っている。彼が疑われるのも無理からぬ事だろう。
「でも‥‥最初の死因は‥‥毒物‥だったはず‥‥」
「確かにそうですね。‥‥飲み物を含めた食糧の管理を任されているのはメイドだけ。その内サルファさんは今は亡く‥‥。可能性があるとしたら――」
 ヒータが思案するように呟く。
「‥‥あらぁ? それなら‥‥未早ちゃんなんじゃないの? 第一発見者が犯人って良く聞く話よねぇ。あのデブのコーヒーに‥‥、とか」
 夕貴が悦に入ったような表情で流し目を送る。
 その言葉に未早はフルフルと首を横に振った。
「ま、まさか。確かに大佐のコーヒーに雑巾の絞り汁は垂らしましたけど。あ、それよりも調理台の上にオムライスがあったんです。もしかしたら‥‥」
「――オムライス? あぁ、それなら私が作ったものだが」
 ふいに今まで黙っていたもう一人のメイド――御巫 雫(ga8942)が、告白する。
 全員が息を飲み、嵐の強風が窓を不気味に揺らした。

 雫もまたヒータに雇われたメイドであり、ややドジッ子(発電機を壊しちゃったり)だが、基本的には礼節を心得た真面目な女の子であった。
 そんな彼女は今、納得できなさそうに首を傾げる。
「アレは練習で作ってみたんだ。‥‥しかし、曲がりなりにも一般の食材で作ってある。とても人を殺せるとは思えんが‥‥」
「いや、毒の正体はそれですよ。大佐が発見された時、あのオムライスに食べた跡がありましたからね」
 ふと、リディスが紫煙を吐き出しながらそんな新事実を告白する。
「リディスさん‥気付いて‥‥いたんですか‥?」
「えぇ、私もほんの少しそれを口にして見ましたが‥‥」
 不愉快そうに眉をひそめる。その後、ゴミ箱で塩4kg分の空き袋と、砂糖4kg分の空き袋を見つけた時の戦慄は忘れられない。
「じゃあ、この事件は事故だったの‥‥?」
「だけど、ロケットランチャーがまだ‥‥。殺害後に口に咥えさせられていたブルーローズはこの際置いておくとして‥‥ロケットランチャーはまだ発見されていない」
 なぜか覚醒した克が、大福を片手に話を進める。
「第二の殺人事件‥‥サルファさんの時は――」

●サルファ(ga9419
「失礼しますーっと」
 メイド服姿のサルファは、掃除機を持っていそいそと部屋へ入る。彼は特に雇われたわけでは無かったが、人手が足りないと聞いて手伝っているのだった。ちなみに、メイド服は持参である。
「‥‥でも勝手に入ったのはマズかったかな‥‥。あんな事があった後だし‥‥」
 ポボス大佐が殺された翌日の事だ。
 あらぬ疑いが掛かる前に、と手早く掃除機を掛けていたサルファは――しかし、ベッドの下で何かとぶつかる手応えを感じた。
 それに気付いたサルファは、何となくそこを覗く。
 ベッドの下には筒があった。しかもトリガーやグリップ、スコープ、グリーンの弾頭。その筒は、まるで――。
「‥‥RPG−7ッ!? この部屋にあるって事は‥‥まさか! 大変だ‥‥早くみんなに知らせないと――」
 その時、彼の背後にフッと影が差す。
 硬直するサルファ。そしてゆっくりと振り返った先には――。
「やっぱり‥‥お前だったのか――!!」
 同時、黒い人影は右手を振り下ろした。


「急所をナイフで一突き‥‥死体は二階の廊下で、雫さん、未早さん、夕貴さん、そして俺が雑談しながら歩いている時に発見しました」
「私は部屋でお酒を飲んでいましたね」
「わ、私は少尉と一緒に話し合いをしていました」
 克の言葉に、リディス、ヒータがそれぞれ答える。
「俺は‥‥記憶が無い‥‥」
 シンが答える。
「ではアリバイが無いのは、リディスさん、シンさんですね。ちなみに、ナイフはまたもシンさんの物。そしてシンさんは、近くの空き部屋でなぜか倒れていた‥‥」
「誰かに襲われたんだ!」
「ふむ‥‥。だがこれだけ状況証拠が揃ってるとなるとな‥‥。ちなみに、ホアキンの時の場合は――?」
 雫が誰とも無く訊ねる――。


●ホアキン・デ・ラ・ロサ(ga2416
「‥特ダネには違いない、か」
 シモン・モラレス。そんな偽名でこの花畑島に潜入したホアキンは、当初予想していたより大きなスクープに直面していた。
 連続殺人事件。
 だがその犯人をホアキンは独自に推理。容疑者を絞り込んで、揺さぶりをかけた所だった。
 そして今ホアキンは一人で、人気の無い裏口で煙草を吸っている。
(「もしもここに、アイツが現れれば犯人は間違い無く――」)
 その時ふいに、突如裏口が開かれ――刃物の輝きが飛び出した。
 しかしホアキンは『先手必勝』を発動、『豪力発現』で無理矢理相手を押さえ込んで――手錠を掛ける。
「‥危ないじゃないですか。やはり貴方が犯‥‥ツッ――ッ!?」
 ぬるり、と。自分の胸に異物が差し込まれる感覚。
 ホアキンの胸から血が滴たり始める。
 ‥‥手錠をはめられた黒い人影は、ホアキンの腕の中で笑っていた。


「彼は背後から刺し殺されていました。ちなみに、この時のアリバイもシンさんだけが無い‥‥」
「‥‥何よ、結局犯人はあの坊やなんじゃない。いちいちもったいぶらないで最初からそう言えば良いじゃないの」
「確かに‥‥そうなりますかね」
 克がパフェを食べながら呟くのを見ると、夕貴は軽く鼻を鳴らしてワインを飲み干す。つまらない雑談はお開き、とばかりにソファを立つ。
 と、ふいに声が掛かった。
「リディス・アレクセイ・ラヴロフ。この本名にかけて言いましょう」
「‥‥?」
 振り向いた先にはウォッカをあおるリディスの姿。
「この事件には――真犯人がいます」
 ズビズバーン! と雷鳴が部屋に轟いた。

●真犯人
「――犯人は縛られた彼ではありません。別にいるのです。‥ところで大尉、サルファさんが殺された時、少尉と話していたと言いましたね」
「え、そ、そうですよ、それがどうかしましたか?」
「――彼は私の部屋に居ましたよ」
「え?」
 目を丸くして振り返るヒータ。横を向き冷や汗をダラダラ流すライト・ブローウィン(gz0172)。
 リディスはうっとりと紫煙を吐き出す。
「二人で『熱い夜』を過ごしていまして、ね」
「‥‥い、いや、確かに酔った勢いでヌポッコ族の踊りとか暑苦しい踊りを披露してしまった気がするが、その言い方は誤解を‥‥」
「少尉! あなた『記憶が無い、たぶんトイレの個室で寝てた』って‥‥ッ!」
 ハッとして自分の口を押さえるヒータ。しかし、既に遅かった。
「とうとう尻尾を出しましたね。そうです‥‥、犯人はアナタだ――ヒータ大尉!」
「「な、なんだってー!」」
 全員が驚きの声を上げる。いや二人、ヒータとライトだけを除いては。
「違和感はありました。ハゲが招待状を持っていた事。犯人がRPG−7を島に持ち込めた事。そしてサルファさんが最期に残した『Killer is ヤス』。実はこの言葉は『犯人は探偵の部下』と読み取れる事ができるのです。探偵の部下‥‥そんな間柄は――大尉と少尉。まさにあなた達の間柄に合致する!」
「く‥‥クックック! そうだよ、俺が殺したんだ! 大佐とホアキンをなぁ!」
「少尉ッ!」
 ライトが壊れたように叫ぶ。
 ふとその哄笑を上げるライトへ、突進する人影があった。
「この事件のせいで‥‥美味しい物どころじゃなくなった。これが‥‥食べ物の恨みだ!」
「克さん!?」
 なんと――克は月詠でライトの胸を貫いていた。リディス、夕貴によって取り押さえられる克。崩れ落ちるライト。
 その中で呆然としていたヒータは――。
 ふいに吹き出して笑い始めた。
「ふふ、あはははは! 名推理です、リディスさんッ! でもね‥‥一つだけ見逃していますよ?」
「なに‥‥?」
「ふむ。結局、ホアキンの部屋にあったコレは何だったのだ?」
 雫がパラパラと書類の束をめくる。それは、――ヒータに雇われたメイドの履歴書。雫の備考欄には『殺人的料理』、そしてもう一人のメイドの備考欄には――。
「何だ、つまりどういう事なんだ!?」
「シンさん。あなたのナイフを盗むにはメイドの存在が必要でした‥‥つまり犯人は私達二人だけじゃ無かったんですよ! さぁ目覚めて下さい、――スイジョウミサさん!」
「なっ――!?」
 キラリ、と部屋の奥で眼鏡が光る。突然、ロボットのように動きが硬くなる――未早。
「私は水上・未早‥‥エミタ移植によって生まれたもうひとつの人格‥‥」
 未早の備考欄‥無自我的人格の含有。つまり、与えられた命令を忠実にこなす無感情な人格になるのだッ!
「全ては――最初から仕組まれてたって事かッ!」
 シンの叫びに呼応するように――突然、爆発音と激しい振動が館に走る。
 未早の手に握られた赤いスイッチ。島に仕掛けられた大量の爆薬をヒータの指示で起爆させたのだった。
 花畑島の各所で起こる爆発。島全体がその衝撃に耐え切れずに崩壊を始める――。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ‥‥! 私達を巻き込んで無理心中する気!?」
 夕貴が声を荒げる。ヒータは答えずに哄笑を上げる。島を脱出しようにも外は激しい嵐。船での出航は自殺行為。
 絶望的状況だった。
 全員が諦めかけた時、――しかし突如として部屋の窓が割れる。
「みんな、諦めるな!」
 館の外。石で窓を叩き割ってそんな声を響かせたのは、死んだはずの――。
「――サルファ殿、生きておったのか!?」
「この程度の傷なんて日常茶飯事です! それより早くみんな海岸へ!
 ――――島から脱出しましょう!」


●脱出
 九人が辿り着いた砂浜。その中央には――青いリッジウェイが後部ハッチを開いて止まっていた。
「あれは‥‥祖父が開発していた潜水型試作機‥‥。やっぱりこの島に‥‥」
 ヒータが呆然と呟く。
 その視線の先の操縦席から、一人の男が半身を出した。
「早く乗るんだ! この辺も危ないぞ!」
「モラレス! 無事だったのか!」
 無言で親指を立てるホアキン。それを見て全員の胸から憂いが消える。そのまま九人は乗り込み、リッジウェイが駆動を始め――。
「マ、待て――! ワシも乗せてくれ!」
「あれはまさか、ポボス大佐‥‥!?」
 砂浜を全力疾走してくるのは間違い無く、大佐だった。脅威の生命力である。
「生きていたの!? 未早さん、島崩壊までの時間は――!?」
「あと三時間です」
「ダメだ、間に合わない!」
 彼らは一斉に頷くと、リッジウェイを発進させた。
「うぉーい!? 待て、待たんかー!」
「待てって言われて待つ奴が居るかよ!」
 シンが叫んだ。だが、何かちょっと間違ってる。
「捕まれ、大佐!」
 雫が手を差し出していた。ポボスがそれへ疾走する。
「クッ、しまった!」
 しかし、掴めなかった。雫まさかの14度目のダイスロールでファンブル。失敗。仕方が無い。ハッチを閉じ、リッジウェイ水中潜行。
 直後、何となく未早は手の中の赤いボタンをもう一度押した。
 ――割れるような大爆発。
 崩壊し、巨大な岩石の塊となって海の底へ沈んでいく花畑島。水中の波に押し出されるようにリッジウェイは海中を進む。
 その背中を追いかけるように、崩れゆく島の悲鳴が聞こえた気がした――。

 夕刻、本土に辿り着いた十人は海を振り返る。
「嫌な事件だったな‥‥」
 ポツリと呟くシン。頷く九人。
 目の前を広がる水平線に、花畑島の面影は微塵も無かった――。

●タイムズ『お花畑殺人事件』
 その事件は新聞を飾った。
 内容とあいまったスリリングな文章は、各地で異例の好評を呼ぶ事となる。
 しかし熱中した読者は、その記事の最後の――

『信じる信じないは、読者諸兄にお任せしよう。

‥‥2009年4月1日』


 と締めくくられた一文に、楽しげな呻きを漏らすのだった。